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■ 女性俳人精華50
「あけくれ」
「あけくれ」
井上摂子

「爪紅やあけくれひそと路地に住む」

静かな秋冷の候、ものの哀れを感じ
させるあたりの風物に心を寄せ、深
く沈潜した思いを詠いあげ、そこは
かとなく漂う憂愁の気が読む者の心
に沁みる。…松本可南(「序」より)

       
■ 俳句界叢書
「平成」 山本白雲
「平成」
山本白雲

「花明り汲み揚げてゐゐ観覧車」

「林苑」同人会長による『昭和』に
次ぐ第二句集。
不撓不屈の精神力と、気さくで面倒
見のよい豊かな人間性は、多くの皆
さんの認めるところである。
    早川 翠楓(「序」より)

■ ベストセラーシリーズ
「浜崎素粒子句集」浜崎素粒子
「浜崎素粒子句集」
浜崎素粒子

既刊句集「確かな獲もの」「寒木」「酔石」「鰡がとぶ」「御器かぶり」から300句精選 分自身の記念碑として、まあいいか位の気持ちで、既刊の五冊の句集から、愛着のある作品を三百句選んだ。
   (「あとがき」より)



■ 
オリジナル句集

「狼の眼光」
新井竜才

「豆蔵にしてやられたり茸狩」

竜才さんの句は、しっかりとした骨格の上に人生の機微が按配され、硬軟取り混ぜ、その守備範囲は見事に広い。
日頃よく剽軽なことを言って人を笑わせている一面を見ても、実にサービス精神旺盛、柔軟な頭脳の持主であることが判る。第一句集から六年、更に磨きのかかった"洒脱さ"をご覧に入れようと思う。
             …中原道夫
 「夷布(遺句集)」

「夷布(遺句集)」
菅野 一狼

主人は以前から、いずれは句集を出版するつもりで、少しずつ準備をしはじめ、仕事から解放されたと思った矢先の入院でしただけに志半ばで無念だったと思います。
「遺句集」を出すことで、主人への恩返しだと思いたちました。
   菅野 富子 (「あとがき」より)

「続・土」 粟飯原 孝臣

「続・土」
粟飯原 孝臣

「十日夜桐が棒立つ背戸畑」

句集『土』につづく第二句集
昭和55年より平成18年まで27年間、858句を収録
「藤橋」田口 可明
「藤橋」
田口 可明

故郷に青山ありと新酒酌む

青山は樹木の青々と茂った山で、「人間到る所青山あり」の大望の志とともに故郷への思いを指すのだろう。
山国飛騨をこよなく愛している田口 可明さんの面目躍如の句に違いない。
   …鈴木太郎(「序にかえて」より)

「走馬灯」加藤亜段・加藤裕子
「走馬灯」
加藤亜段・加藤裕子
  飛行雲ゑがく十字や夏の航

この句は、紀元2000年の聖年に、ローマで教皇ヨハネパウロ二世に謁見した旅行の帰途機上で詠んだ句である。
此の時の私は天上人であった。
想うに俳句は「今、我、此処に」の私が語る挨拶である。
       (「あとがき」より)

「萌草」松田美奈
「萌草」
松田美奈
  秋暑かな手話は外国語に等し

上五にいきなり「秋暑かな」と置いたことで、眼前に手話で話をしている人間がいるように思われ、それを見ている作者が「外国語に等し」と実感していることがわかる。わからぬことがただの観念ではないのである。
星野麥丘人(「鶴俳句の諸作より」)

「白鳥」 池田義弘
「白鳥」 
池田義弘

白鳥は、はるかシベリアの地よりここ阿武隈川に毎年忘れずに飛来してくる。
その不可思議な能力に魅せられる。
白鳥の句が多く、以前に白鳥の餌付けを手伝っていて、ことのほか白鳥に、縁が深かったので句集名を「白鳥」とした。

「彩雲」 伊予田由美子
「彩雲」 
伊予田由美子
若い頃は、有季定型の制約の中で
四苦八苦したものですが、最近は
ようやく有季定型を不自由と感じ
なくなりました。ライフワークと
して俳句とともに半生を歩んで来
られたことをしあわせに思ってお
ります。
   (「あとがき」より)
「弾き初め」 春日とよ稲
「弾き初め」
春日とよ稲
  
技巧とか名句狙いではない、著者ならではの表現が心地良い。ごく自然に、唄いだしたように思いのままが句となっている。
       …酒井静子
「竹の春」大利式子
「竹の春」
大利式子
  話したき羅漢のおはす竹の春
長岡京の風土を愛してやまない
珠玉の第一句集
「雲の緞帳」林 二三子
「雲の緞帳」
林 二三子
初富士や雲の緞帳揚げきつて富士山を遠望する地住み、単に富士が好きというだけでなく、それは日々の生活のなかに入り込んでいるように思われ、他にも落ち着いた重厚な句が詠まれている。
それにしても
「雲の緞帳あげきつて」とは、
初富士の雄姿をややドラマチックに
際立たせた見事な比喩と言えよう。
       …寺島ただし
「鉄路」鈴木大林子
「鉄路」
鈴木大林子

鈴木大林子著「鉄路」一巻は、
豊かな感覚と写生の技と冴えが
発揮された中に、著者の無垢な
人柄をかいま見ることのできる、
みごとな句集といえよう。
 …皆川盤水 (「序」より)

「冬ざくら」松永瑞穂
「冬ざくら」
松永瑞穂

花びらを零さぬ力冬ざくら

詩人らしく的確に冬の風光の厳しさを詠った感性の冴えが新鮮であり、新たな感受性と発想の展開があり、松永さんのこれからの作品が楽しみである。
  堀川草芳(「序文」より)

「善忘」小柳 恍朗
「善忘」
小柳 恍朗
  杖はただ春の深きに逢はむとす
杖は唯リハビリテーションのための
道具ではない。深春の山野の風情と
逢い、春という季節の深い趣をさぐ
るのが本当の願いなのだという俳人
魂が、この秀作を作らしめたのである。
        …肥田 埜勝美

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