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■ 女性俳人精華50
「山の韻」田中とし子
「山の韻」
田中とし子
    烏瓜山の韻を手渡さる 
俳句における透明感とは、計り知れない詩情の深さであり、心の叫びなのである。
この作品は目の前の対象物から宇宙空間を通した時間と季節を結んでいる。
       雨宮抱星 (「序」より)
       

■ 俳句界叢書
「空の名前」若林千尋
「春は曙」
白川温子
    春は曙昨日と今日を切り離す
季節の移りや一日の経過に皮肉っぽいのも人の一面だが、それに心情の味付けが加わると、なんともいえぬ風味が生れる。
この人の心情は意思的で淡白
         金子兜太

■平成俳人群像
「夢の半ば」佐藤 尚輔
「夢の半ば」
佐藤尚輔
俳句は死を見据えた生の究極の讃め歌と言えまいか。彼の句の詩的品格の高さはそこから生じたものであるに違いない。……今年もまたこうして巡り来た季節が、「今」という時間を照らしている。そして彼が呟くと、たった今のこの瞬間が、「永遠」に移行してゆくのだ。俳句とは、一瞬の、永遠の芸術である。そして、さればこそ束の間の命を謳歌し、彼岸と此岸を往来する芸術でもあるのである。
       西村嘉禮

■ ベストセラーシリーズ
「火を愛し水を愛して」三輪初子
「火を愛し水を愛して」
三輪初子
新境地をひらく第三句集!
火も水も、初子さんにとっては生活の源。どの句も実体験を通して、彼女の姿が彷彿として立顕われてくる。新たな世界に一歩踏み出した、清新な句集である。
   「炎環」主宰 石 寒太

■ 
オリジナル句集
「阿修羅に恋」上窪則子
「阿修羅に恋」
上窪則子
則子の胸中、それは父や母への愛、子供への愛、小動物への愛、大自然の偉大さへの愛であり、そして流れゆく刻への愛であった。
    上窪青樹(「序」より)
 
「望郷」上野燎句
「望郷」
上野燎句

『野火』『尉鶲』につぐ第三句集。
前句集から15年間の作品を厳選収録。『望郷』と名づけたのだが、振り返ればその期間の殆どはふるさと山口に住んでいたのにと、この題に今更自分で驚いている。句をまとめる作業が望郷の念を募らせたのであろう。
      …(「あとがき」より)

「巣立鳥」米田ツル子

「巣立鳥」
米田ツル子

露けしや枯山水の石の肌
石組を主として水を用いずに山水を表す枯山水の庭は、室町時代に宗・明の山水画の影響によるといわれているが、竜安寺の庭など代表的であろ
う。石肌にまで、秋の気色を感じ”露けしや”とうたったところに、妙味がある。なかなか省略のきいた格調高い句。
         …吉野義子
「人」横山香代子
「人」
横山香代子

横山香代子の特性は取り合わせにみられる。質が異なる「もの」の微妙な取り合わせは、現実感を喪失せずに意外性を出している。それは視覚などの五感から発する書き方を尊重する俳人にとっては必要不可欠な特性である。              今井 聖

※漢字が表示できないものに関しては、別の漢字を引用している場合があります。
「ガラスの船」大西比呂
「ガラスの船」
大西比呂
リラ冷やガラスの船にガラスの帆

句集名となった句。
ガラスという輝きの中に、繊細な美を見せるガラス細工の船。
句集全体を象徴としているこの船は、これからの作句の志向性や進路をも託しての命名と思う。
          木内 彰志

「早崎明句集」早崎明
「早崎明句集」
早崎明
 
自然の写生がそのまま作者の
いのちの立姿でありたい。

昭和34年からの全作品より
珠玉の六百句を厳選。
橋本鶏二論を同時収録。
「わが心の俳人伝」河内静魚
「わが心の俳人伝」
河内静魚

時代を異にした六人の俳人の来し方をまとめてみた、俳句の魅力が一層増したのは事実だ。どの俳人も私のこころの奥底を揺り動かした。
遺された俳句の一つひとつが、命あるものとして輝きつづけている。
    …(「あとがき」より)

「連理」白井良治
「連理」
白井良治

 来世またこの妻と行く初詣
 

現世で夫婦が一緒に行くのは当たり前だが、来世も行くと詠んだのは白井さんだけである。五十年以上も連れ添い、老いて、しかも病身の妻をここまで詠むには、照れや愚痴ではない、真底、人間としての愛情がなければ出来ない。これは白井さんの第一等の代表作であり、愛妻俳句の冠たる代表作だと思う。
            高橋悦男

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