文學の森
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■ ベストセラーシリーズ

麦稈抄
山口 伸

「この土に還ると決めて土筆摘む」

句集『心土』『村が消える』
       『野帖』に続く第四句集


山口伸は農の人だなあ、としみじみ思い、

俳諧の根っ子は農にあるかもしれないと
思っていた次第。     金子兜太

       


■ 
女性俳人精華50

『背景』
瀧 洋子

「ドリップで落とすコーヒー原爆忌」

掲句は、数々ある原爆忌や
終戦記念日の俳句の中でも
忘れてはならない秀句であろう。
この作品ほど余白(背景)としての
俳句を象徴しているものはない。
             山崎十生
「昭和ながかりし」舘岡沙織

昭和ながかりし」
舘岡沙織

昭和ながかりし麦稈帽子古りぬ

高価な薬、黒ずんだ畳、
ラジオから漏れ来る野球放送…。
そして何よりも忘れがたい
母への追慕。

語り尽くせぬ昭和回顧。


■ オリジナル句集
「花の袖」

「花の袖」
片之坂 みす子

ただまつむしのひとりねに
 友を待ち詠をなして舞ひ奏で遊ばん
  さかづきの 雪を廻らす花の袖

集名「花の袖」は謡曲「松虫」にちなむ。「俳人であるまえに人であること」という森澄雄の教えを胸に歩んできた、三十年以上にわたる歳月を集成。美しい真情が流れる静穏の一巻。
攻瑰晩花
攻瑰晩花
 伊藤青砂

沈むまで膨らむ太陽草田男忌

青砂氏は昭和三十八年以来、ほぼ二十年間先師草田男の選を直接受けてきた人である。
          成田千空(「序」より)



俳句の風土
斉藤美規

俳句の風土を探し求めることは、
私の生涯の主題である。
  
         (「あとがき」より)

亥鼻
「亥ノ鼻櫻」
 杉森かつ江
月朧 中也のお椀の 屋根の上

中也の言う「丘の上」は、作者に
とっては、
亥鼻山であったかもし
れない。
この作品には、童謡でも
歌っているような、
ここちよい調
べがあって、うれしくなる。

          小川恭生


「和音」 
津川絵里子
噴水の落ちゆく快楽ありにけり

一定の高さまで噴きあがった噴水の落ちてゆくとき、そこに快楽(けらく)を感じるとは何という深遠な受けとめ方であろうか。
単なる美の感覚ではないことを、つくづくと感じさせる句である。  
鷲谷七菜子

しぐれ傘
源田ひろ江
源田詩げ留
もともと私は、二人の第一句集は
別々に出すべきではなく、
比翼句集として一冊にまとめて
欲しいと考えていた。
             土肥幸弘

「逍遥」
池田喜夫

山鳩や果てしなくつづく芒径
こんな芒原の径を往った記憶がある。
山鳩の声がしているそんな径を。

もしかするとこれは
人生としう行路そのものかもしれない。
             黒田杏子

カルテの面
柳田芽衣


仙人掌咲き水のやうなりカルテの面

精神病院に看護助手として勤務したとき、何千日にも及ぶ一個人の変色したカルテをみるが、それらのカルテは、病者の精神生活の記録でもあった。目には見えないけれど、ぼろぼろに違いない私のカルテも、私が生きてある限り水のように淡々と存在し続ける。

大黄落
日原輝子

  風花を追えば亡夫のそびらなり

夫の後を継ぎ、「花筐」主宰、
「頂点」編集人の重責を
担ってきた著者の軌跡。
半世紀に亘る句歴から
厳選した第一句集。

鷹の羽
高瀬一郎

妻へ、子どもたちへ、孫たちへ―。

橋本多佳子・美代子両主宰選の
300余句に、家族の俳句も収録。
読み継がれ、詠い継がれる生命
の祈り。

「氷魚舟」坂本山秀朗
氷魚舟
坂本山秀朗
  氷魚舟の一挙漕ぎ出す朝まだき

生まれ育った高山の風土を愛し
こつこつと作り貯めた半世紀の
句作を厳選収録。
本書より山秀朗俳句の船出が始まる。


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