恋する俳句 優秀作品 2017年9月

驟雨より始まる都会の物語        穴澤秋彦
「ねえねえ」と牡丹のつま先揺らす君   安藤江美
うねりゆくねぶたの緋色か君の頬     磯部薫子
寂しいと言はれてよりの星月夜      今村征一
好きならば返してあげる曼珠沙華     城内幸江
羽ばたくには羽が痛いの蝶の恋      小夏
コスモスや恋に恋して揺れてみる     佐川寿々
一粒のぶどう甘美に足裏ぬれ       青萄
注連縄や雌雄の蛇の絡み合う       中島進
幼名で呼び合つてゐる花野        長谷川洋児
昼の月泣いて機上の人となる       百名温
編みあげる背徳の嘘秋の宿        ほうどう
告白をさらりと交はし桃を剥く      三泊みなと
薄荷咲く時間守らぬ人を待つ       村上ヤチ代
男滝涸れて女滝にはかに淋しがる     悠
対岸の灯に幻の秋思かな         遊歩
口笛を色無き風が消してゆく       吉野ふく
切り株に座る二人や秋の雲        ヲテル

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