新刊情報

沖雲

【オリジナル句集】
句集/沖雲
著者/兒玉充代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

沖雲や飛魚の跳ぶ海まつたひら

表題を『沖雲』と決めたのは、沖への、遠きもの、遥かなるものへの憧れからではないかと思っている。俳人・兒玉南章の娘として、南章十七回忌を迎えるにあたって何よりの供養となる一本である。ここまでの充代さんの努力に南章さんも莞爾しておられるに違いない。

茨木和生
谷と村の行程

【平成俳人叢書】
句集/谷と村の行程
著者/白井重之
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

田の中でぐらり青嶺の乱反射

いくつもの谷を背後にした村での暮らしが長くなった。まことに狭い範囲に生きてきた人間が表現する俳句という詩型は、私にとってもっとも相応しいものだったと思っている。

「あとがき」より
立葵

【オリジナル句集】
句集/立葵
著者/武山八重子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

立葵友の姿の重なりて

『立葵』には、震災関連句が多いが、あえて強く言えることは、そうした震災句であっても、つねに温かい「おふくろ」のような視線を感じるということである。未曾有の大災害であったから、当然、苦しさ・さみしさは訴えているが、一句一句のうしろには毅然とした日本のお母さんのような奥深い温かさが感じられる。

大牧 広
二輪草

【オリジナル句集】
句集/二輪草
著者/獅子倉一彦・獅子倉かずえ
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

俳句によって強い絆で結ばれた「萬緑」同人の夫婦の遺句集

三年間の私の休日は全てかずえさんと一緒だったように思います。その中で、会う度に「一彦さんの遺句集を出したい、出さなきゃ」ということをいつも話していました。俳句はお二人の子供であり、命です。

堀井信子
無音界

【オリジナル句集】
句集/無音界
著者/薬師寺彦介
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

ふる里は仏果のまほら遍路来る

風土に根差した自在な詠み振り、それができるということは、俳句の本道をしかと追ってきたことに他ならない。原裕の求めた「写生より想像力へ」の理論が実作の上で示された『無音界』。句作の今日より明日への明るさを感じる。

原 和子
星月夜

【オリジナル句集】
句集/星月夜
著者/橋本和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

故郷の人の恋しき星月夜

吟行にもよく参加され、何人かで一緒に行動しているので同じような場面を見ているのですが、対象物をよく観察し視点が少し違っているのが特徴です。俳句三昧の暮らしの中で感じる一抹の寂しさ、老舗を守る友を思い、また、はらからのこと、和子さんらしく行き届いた自選に安心いたしました。

澤井洋子