【その他】
句集/子規の小函 ——句から繙く内面と人生
著者/黒川悦子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)
鑑賞と評論
本書における子規句の鑑賞は単なる思い付きではない。句の成立した時代背景と成立の道筋とが丹念に実証され、その交渉の結果としての鑑賞であることが明白である。
【オリジナル句集】
句集/からつこつつぼ花吹雪
著者/江川貞代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
飛花落花まづ水分りの水を手に
東吉野村には多くの分水嶺がある。「雪月花」よりも、まず愛でたいものに「水分りの水」があるというのだ。意表を突くといおうか、貞代さんのたまらない魅力はこんなところにもある。つまり、常識を臆面もなく打ち破ってしまうのだ。詩襄はどこまでも大きく豊かで、明日からも次々に私を驚かせる俳句を生むに違いない。
【オリジナル句集】
句集/牧花
著者/月溪花代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2000円(税抜き)
青空に一輪挿して帰り花
持ち前の笑顔と明るさ、そして根性は並のものではない。どこの句会へ行っても世話を厭わないで、皆さんを楽しくしてくれる。かけがえのない人物である。
【オリジナル句集】
句集/妻
著者/名和未知男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
永訣のその朝咲きぬほととぎす
令和三年九月二十七日、妻が亡くなりました。六十二年八か月も共に暮らしながら、感謝の言葉も別れの言葉も告げることが出来なかったことが、私の心の重荷になっています。そのことを踏まえこの第五句集のタイトルを『妻』とすることにしました。
【オリジナル句集】
句集/保健室登校
著者/福本啓介
判型/四六判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)
四月来る長欠の子の机にも
高校の教員になってから数多くの生徒たちに出会ってきたが、定時制高校の生徒たちは、ひと味もふた味も違っていた。十代半ばだというのに、多くの生徒たちは、生きることに疲れ、傷付いていた。それでも前を向こうとしていた。不登校経験のある生徒はもちろん、志半ばで退学した生徒は数知れず……。この句集の句の多くは、彼ら彼女らとのやり取りの中から生まれたものだ。
【オリジナル句集】
句集/夢幻座
著者/星永文夫
判型/変形判上製
価格/2700円(税抜き)
生きべたで、さびしがりやで、いわし雲
『夢幻座』は、夢まぼろしのごとき己の〈人生〉を、演じて(映して)観客に見せる己の舞台で、演者がそこで「是非精華を一つ咲かせてやるぞ」と心に叫ぶ、正念場でもある。