1月, 2009 - 文學の森

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古風琴

坂井さんの句には、生活人の見据えた現実を基調にした強みがあります。それでいて単なる生活記録ではない詩的な視点と言葉のかもす哀歓が、読むものの共感を刺激します。桂先生が目をとめられたのも、坂井さんの句のそんなところだったの […]

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寒昴

大塚洋子さんは先師の指導を忠実に守られて「多作多捨」「継続は力なり」を身をもって実行された。「風の道」の俳句作法である客観写生・花鳥諷詠を墨守し、叙景句を中心に俳句を学ばれた。掲句は先師松本澄江への信頼、そして師恩への感 […]

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山桜

澄み切った朝空に、新年加齢のさわやかさに弾んだ作者の意気込みが素直に伝わって来る。 座五の「深呼吸」が限りない清澄な空を演出。 気宇壮大な秀作を生む。 平凡な措辞の中に希望に満ちた年初の姿が鮮明に浮かび出てうれしい。 淺 […]

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菊咲いて

この句に人生の出会いと別離を感じた。喪服を着るということは滅多にないことであるが「炎暑かな」には、耐える生き身の悲しさがあるのではないだろうか。 森田かずや(「序」より)

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二十年

二十年という年号にこだわった。昭和二十年、ニューギニアの陸軍飛行師団指令部要員として身をもって戦争の無残さを体験し、辛うじて生還した。平成二十年、齢九十に達してなおのうのうと生きて年酒を酌む。慙愧これに過ぐるものがあろう […]

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この作品集には落着いた静寂が漂い、そしてとても美しい。 きっと鈴木さんは、これからもますます、森羅万象すべてのものと人に、 心から敬虔な態度で接して生きてゆかれるのだと思う。 宮尾登美子

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航海灯

本句集は、沖島孝光さんが長年の七つの海に託してきた身も心も染み付いた潮っ気が抜けきらないうちに句集としてまとめたいという気持で決断されたという。正に「海」を愛し、恐れ、そして敬い、その中で必死に生きてきたひとりの男の生き […]

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小島可寿句集

全句集ともいえる本集には、三つの特色が明らかだ。その一は、季のこころと、作者のこころの一体化。その二は、磨かれた感性。その三は、骨太にして繊細なところである。自然を信じ、己れを信ずる強い意志を持つ人であるからだろう。妥協 […]

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