11月, 2012 - 文學の森

  • HOME
  • 11月, 2012 - 文學の森

生きてこそ

どれも生活という土台を踏まえている。それに加えて季語に遊びがなく一体化していることに注目させられる。 『生きてこそ』はまさに山本久子さんの生涯の一集であろうと思う。何よりも尊く意義深い句集である。 青柳志解樹

MORE

寒祭

永田さんは句作の方法として「自然・生の実相」に迫る姿勢と、漱石の言う「俳句はレトリックの煎じ詰めたもの」とを確りと受け止め、俳句を続けて来られた。それは首藤氏の教えの継承である。幾らでも実践例は見つかるだろう。 鍵和田秞 […]

MORE

ははのこゑ

俳句は他を詠むと共に自を詠む、というより、他と自とは一体になろうとする、さらに進んで自他の別なし、という文芸ではなかろうか。 大坪景章

MORE

坂口昌弘さんは、前著『ライバル俳句史』でもこの『平成俳句の好敵手』でも、二人を組み合わせ共通性、同時代性を論じつつ相違する点を浮彫にする。先例がないわけではないが、これほど多くの俳人をこの手法で分析した例はない。坂口さん […]

MORE

半農半漁

季語の有する「本意・本情」を十分に弁えているばかりでなく、俳句本来の大切な要因「挨拶・即興・滑稽」その醍醐味の一つである、滑稽の何たるかを熟知し、闊達に、不変の真如を捉えて余りあるものがある。 島村 正(「序」より)

MORE

しつけ糸

あゆかさんはいつも和服で決めて、美しく装っている。和服の好きだった母上の影響で、子供の時から着物になじんでいたという。今は着付けの先生をされている。そんな美意識が、おのずから俳句の表現に出るのだろう。この集にも、和装の着 […]

MORE

踊子

この句集の中でどの句を掲げてもよい。みな読み応え充分だ。このような言語感覚はどこから来るのかと私はいつも思う。ただの努力だけでは到底出てこないものだ。 辻 桃子

MORE

花野の子

句の結晶化の最高度を示すものだ。 「羽化せんと」がいかにも効果を挙げている。 どれも過不及ない気迫のある語句と言ってよい。 松本 旭

MORE

〈ちらちらと樹の皮なびき雪解山〉 〈ガラス栓きしつと瓶に夜の秋〉 〈博物館のフーコー振り子秋の声〉 のように、作者がこだわり、展開する花鳥諷詠の諸句は、心の振幅が大きく、瑞々しい。 星野恒彦

MORE