9月, 2015 - 文學の森

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羽衣

ひろ子さんは俳句修行の傍ら、日本の伝統芸能の一つ「謠曲」と「能」の稽古に、長年励んでおられます。悠揚たる羽化登仙の気合があって、自ずと背筋を伸ばして拝読しました。 田代朝子

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白山茶花

本句集はどれも、「風」「雉」の手堅い即物具象と写生に裏打ちされ、しかも、詠む対象は違っていても、肌理の細かい描写力にすぐれている。看護婦として長く勤務され、最期は看護部長にまで昇格され、上司、同僚らの人望も篤かっただけに […]

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明日の春

作者は寺院の山門などで、仁王様や狛犬などを見て、阿吽の像だと思う。阿は口を開き、吽は閉じている姿。万物の初めと終りを象徴している姿に、冬から春への移りを感受して手を合わせたのだ。祈りに応えて、よい事がありそうだ。 鍵和田 […]

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花に帰す

「枯野」は、この世とあの世を繋ぐ「場所」である。そのトポスに対する「昭和がノイズたててゆく」の中七下五の措辞は、目の覚めるような強烈な景である。抽象的な「昭和がノイズ」は「父」のメタファーと考えられる。梅津早苗の「枯野 […]

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菜の花の沖

先師のお伴をして西湖畔の太子湾公園に故李芒師の懇請に応えて桜五十本を植樹した、その桜の開花を確認の旅行の際の一句である。先師を助け日本の桜を贈るについて苦楽を共にしたことを回顧し、掲句から句集名を採ることにした。 「あと […]

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大切な美しい日本語ですが、まだまだ知らないことだらけです。日常生活の言葉を学んでゆくうちに、それは私の身体に染み入っていきました。俳句と出会ってから見る私の住む街のなんと美しいことか。 「あとがき」より

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山焼く

小野たけし氏の俳句は男性的であり、太い弦を張った弓のように強靭な風格の俳句が多い。 小路紫峡

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ピカソの壺

「詩」と「俳」がつむぎあう独特の感性。強烈な美意識から生み出された作品群は大胆にして華麗。平成10年から平成27年までの三百十一句を収録。

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白桃

平安期の短編集『堤中納言物語』に「虫めづる姫君」が登場する。「虫めづる」点は同じだが、初枝俳句はその虫の命を捉えて詠んでいる。吟行では、図鑑と大きな虫眼鏡が常備品だそうだが、作品はその苦労の結実といっていいだろう。 田島 […]

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能登育ち

浩さんのふるさと能登への思い、父母への追慕、家族を思うこころ、その愛の眼は自然と向き合う時も変らず、常に前向きに直視するその視野で、家族を、ふるさとをさらりと詠まれていることに好感が持てます。 古賀雪江

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