2月, 2016 - 文學の森

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道行

母を支える父、父に縋り歩く母。秋冷の病廊か、病廊の先の窓の碧空は次第に夕空の赤さを加えてゆくであろう。その後ろ影は父と母を超えて男と女。二人の姿に人生の「道行」を確りと見届けることが、娘としての仕事であろう。 寺井谷子

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寒牡丹

この句集の特色は、連作や吟行句がほとんどないということである。前書のある句も一つもない。すべて、一句一句、独立した句として発表されている。これは大変異例のことだと思う。白我さんの句集にこめる思いがひたひたと伝わってくる。 […]

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とこしへに

俳句を始められて十九年、殆どを共に勉強させて頂き、その成長を見せて頂いた。この度の句集はその憲子俳句の集大成である。他より学ぶと言うよりも、憲子独特の感性を、憲子独特の表現でもって編まれた。 塩路隆子

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はしけやし

俳句の捉え方があどけなく、汚れがなく朗らかで、子供さんにはどんなに好かれる人だろうと思ったことがあります。 佐久間慧子

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近江上布

赤木さんはとにかく、昔ながらの学びの形をわきまえて師事するということを実践している人である。今回の第一句集も、『近江上布』という伝統と日本美を視野に容れ、言語表現を切り口として未来へ視点を置いている。将来の楽しみな作家で […]

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句集『月に結句を盗まれて』の批評をひとことで表現するとすれば、山本健吉先生の言うところの「生命論」としての一行詩集、と結論づけられる。あえていえば、福原悠貴にとっての「俳句」とは、おのれの「いのち」と「たましい」を入れる […]

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風の会話

『風の会話』に収められた一句一句は、なにげない俳句が誠実に収められていて、本集を読み終ってみると、ふっと身のうちに生きてゆく勇気にみちてくると、といった一書である。 大牧 広

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玫瑰

この句集の冒頭は北海道在住時の作品。家族で赴任地に暮らす様子が、生き生きと伝わってくる。土地に住まなければ詠めないものばかり。永住の地ではないが、北国の暮らしの厳しさや都会にないのんびりとした風景も窺える。理屈や知識を持 […]

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温き掌に

終の棲家に……という思いで、平成八年の秋頃からバリアフリー仕様の家の普請が始まった。当時、東京通勤の夫の帰りを待ち、夕食後よく一緒に様子を見に行っていた工事現場で生まれた句である。 (「あとがき」より)

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