10月, 2016 - 文學の森

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本歳時記はご遺族の快諾を受け、「槐」俳句会有志の参加によって編まれたものであります。故延廣禎一氏の在籍された平成五年より平成二十五年までの約二十年間の作品を「槐」誌のバックナンバーからゆかりの会員の手により収録いたしまし […]

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遠郭公

阿蘇の麓の目的地でバスを降りたその時、突然郭公が鳴きながら裾野に広がる棚田の上を渡っていった。遠い空の彼方に消えた後も澄んだ声が耳に残った。一瞬立ち止り、ここから道は二つに分かれている、選んだ道を迷わず行く郭公の直情径行 […]

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大和三山

決して物欲しそうでなく、穏やかで物静かな声調でありながら、対象の本質を捉えている。これがこれまで培われた気質なのであろう。どの頁を開いても、知三氏の暖顔と、ゆったりとした言葉が出てくる句集と言えよう。 宮田正和

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青胡桃

みよさんの句は、生命の充溢状態だけが創作と結びつくという風で無く、かなり自分の心まかせの気楽さの勝るところがあり、そこのところの、余り完璧を意識しないさらっとした点に特有の持味を持っている。緊密さのなかから一脈の自分をそ […]

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真青

自然から得た直感を、それがいかに微弱なるものであろうと、逃さず一句にすることを心がけてきた。作の出来、不出来や評価などよりも、心の動きを素直に表現出来ているか、その一点を大切にしてきたつもりである。 「あとがき」より

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墨縁

かつて何人かの方に「筆書きの句集などあっても」と言われていたことを思い出し、そこで一寸試し書きをしているうちに、「今回はこれで」という気持ちになってしまいました。 「あとがき」より

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椿垣

風に強い、ということは、海からの強い力に対し、少しも屈せず美しい花を咲かせて、しかもその内側を守る役割を十分に果たしてくれる、ということである。房総の椿は「椿の花」「椿の木」ではない。房総を守る自然からの賜り物である。 […]

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羽化

昆虫が羽化するのは、本当にあやうい数時間の経過があるが、「白牡丹」を配されてみると、ますますその時間が不思議さをひろげてくる。俳句は季語によって小宇宙を奏で生きる文学なのである。 石 寒太

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蓬莱

俳句は作者の性格が如実にあらわれる文芸だと思っている。ナル子さんの端正で格調高く、それでいて、俳諧味ある句は、物静かで上品で、ユーモアを持ちあわせたナル子さんの姿そのものである。 飯島ユキ

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白日傘

この句集を読まれる方々はどこから読んでもすぐに恵美俳句の世界に触れることが出来る。上質な詩性の中にいる自分を発見されることと思う。 中村正幸

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