2020/04/11 花の城 第三句集『花の城』は、最近の十年間に作った数多くの句の中から三〇〇句に絞って取りまとめたものである。小田原城の掘割を取りまく満開の桜、白壁には三角や四角銃眼があり、死線を空に向けると白亜の天守閣が青空に聳え立っている。感 […] MORE
2020/04/11 蛍 蛍に照らし出された著者の掌には、著者の人生そのものが象徴されている。重さも無い小さな蛍と著者は心を通い合わせているのだ。対象に対する温かい視線のあればこそ感受することができる境地であり、また詠むことができる作品である。そ […] MORE
2020/04/11 雪つぶて 龍さんは、俳句を捨てなかった。『手足』につぐ『雪つぶて』、第二句集である。河野邦子さんの後を受け「浮野」編集長の任にある。龍俳句の魅力は「内実の微妙の確かなる把握と簡朴にして清澄なリリシズムの徹底にある」を貫いている。「 […] MORE
2020/04/11 身の遥か 戦争に父親が召集され、氏自身はその少年時代を戦時下に育ったという経験を持つ。その体験も俳句に深く影響を与えていることとなる。だからこそ反骨の精神が培われたのだろう。実直で正義感の強い人柄が、一層その感を強くした。生活を見 […] MORE
2020/04/11 花野 高校生の頃から始めた俳句の道を歩き続けて、もう六十年以上になる。こんなに居心地の良い俳句という場所は私に取っては極楽のような、或いは「花野」のようなものである。秋の草花が咲き乱れる花野に、「阿吽」の仲間と、又或る時は一人 […] MORE