12月, 2014 - 文學の森

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水程III

「切れぎれ」に立つ沖合の「白浪」の景に接して思わず体調の気懶さを鮮やかに感じたのである。といってもの憂さというよりもどこかに海の景を楽しんでいるのを感じさせてくれるのもまた、俳句の面白さである。感受確かな一作。 広瀬直人

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四季讃歌

九重連山は大好きな山で、高校生の頃から何度も何度も登った山だ。高校生の時はテントと飯盒をかついで、九重から阿蘇に山歩きをした。この写真俳句集の中には、九重、阿蘇の山々をはじめとして九州の美しい四季の移ろいの他、私達が住ん […]

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水文字

この度の句集『水文字』を拝見して、この風土にこそ培われた豊穣を、ご自分のうちにたっぷりと蓄えられた作者の詩質を改めて知る思いがした。朝人師の「生きる証」としての抒情は、すでに備えられていた心の土壌に深く植えつけられてゆく […]

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橅の森

橅の森に見られる残雪の景、それを「黒き雪間」と捉えた感性は、生まれるべくして生まれた言葉である。幸雄作品には難解な言葉はない。常に穏やかな詩情のなかに身体から燃える光を輝かせ自然を見詰め、体当たりして作句に取り組んでいる […]

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四水

当初『四水』も還暦時の『華甲』に倣い、小生が喜寿になった時に発行を予定していたが、句会100回を数えられたこと、今年は金婚の年に当たること、更に、最近とみに体力に衰えを感じる様になったことから、やり残している事を急がねば […]

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白猫

なめらかな韻律の裡に嫋々たる春夜の情を感じさせる。表現は簡明でありながら、内実は、猫の恋のはじめの切なさと恋の悩ましさが絡み合っている。しかし一句は、大胆な省略によって白猫の恋の初々しさの印象が強く、猫の生命を讃える内容 […]

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風月

この句集に漂う季語は、四季の流れのなかで、私とともにしてきた時間と空間と夢です。そんなもろもろを句集におさめて手放してしまった今は、これらの季語たちに、さよなら、また会おう、と呼びかけています。さようなら、ではなく、明る […]

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自然風物に託しながら、その心境は美しい。曲折の多かった冨美子の永い人生にも確かな到達が見られるのではなかろうか。海峡、白牡丹、大花野、冬銀河、蜜柑山、根の国、木の国、山ざくら、流し雛、花吹雪……、これらのことばには限りな […]

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花田植

どの句も写生の目が行き届いている。写生の目が深く鋭くなるということは、それだけ自然や人間に深く観入していることであり、幽邃な自然の本質に近づいていることである。 鈴木貞雄

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