11月, 2015 - 文學の森

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風鈴

昭和十六年頃から俳句を始めて優に七十余年、その作風はもはや芸の域にあるように感じられる。作者が心でとらえた自然と生活が集中にあふれている。作者の心情が風鈴の音のように読者に伝わってくる。 高橋将夫

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一夜庵

一夜庵とは「山崎宗鑑が興昌寺の境内に結んだ庵で、数寄屋の形態をとり、日本最古の排跡」である。俳諧の祖・山崎宗鑑ゆかりの一夜庵で観音寺市主催の俳句大会があり、久恵さんは大会の選者であることは、周知の通りである。 島村 正

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米壽

佳き師、佳き大勢の句友にも恵まれて今日まで作句生活をつづけてこられた倖せを大変有難く思っております。これもひとえに、息子や家族たちの理解あればこその毎日と感謝しております。 「あとがき」より

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春光

佐代子さんの句の特色は、さらりと詠んで味があるところにある。それは単なる表面描写でなく、身のうちに一旦対象を取り入れ、それを消化し、醇化し我が物としているからである。表記も巧みで、清音を多く使い、平仮名が似合う句が多い。 […]

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天鼓

齢を取ったら子の意見を尊重してそれに随うという句意だが、「水澄んで」という季語が素晴らしい。秋も深まり、空気もいよいよ澄んで物事ははっきりと見え、人生も深みをましているのだ。 森 潮

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蕪村

視野の雄大な想像力を働かせることが出来たのは、蕪村が詩歌の伝統や慣習から自由であったからに他ならない。それは彼が、すでに近代という薄明の中に生きていた証であった。 著者

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禅寺丸柿

『禅寺丸柿』は私の住居である柿生の地に由来するものです。一二一四年に王禅寺の山中で発見され、その約百五十年後の一三七〇年に、この柿の実の甘さに惹かれ、移植されたものが近隣に広がったもので、今もこの地の、名産となっています […]

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琴の音

池田琴線女主宰は俳句と箏曲、お琴の先生の二つの顔を持つ。題名の「琴の音」は、伝統的な十三弦から奏でる優雅な音色を重ねつつ筆を執ったことによる。お琴の方は宮城道雄の直伝で、夙に名の知られた先生である。筆者はお琴のことには、 […]

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持ち時間

倭文子さんには三人の子供がいて七人の孫がいる。彼女は頼りになる親であり、おばあちゃんである。「まんぢゆうのやうな子」という句を見れば、誰でもその子供の様子が目に浮かぶ。そしてその子供を見守る倭文子さんの温かいまなざしが、 […]

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弓勢

時の流れは早いもので、今年で主宰を継承してから満十年になる。今年の九月には「水明」創刊八十五周年を迎えることとなった。題名『弓勢』は、きりきりと弓を引き絞った張り、力強さが、未来に向けての希望を秘めた勢いを捉えた言葉であ […]

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