【イカロス選書】
句集/ある叙事詩
著者/田中 陽
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
旅は春の女にもらう飴一個
田中陽さんに、〈口語定型〉というようなものを考えてみてはどうか、と話した記憶がある。この呼び方のほうがスマートではないか、という気持を込めて提言したのだが、かれの返事はなかった。口語で書くと割切っている以上、あとは作品の集積が解決することなので、ここで改めて〈口語定型〉などという目標じみた呼称を掲げる必要はない、ということだったのだろう。
【オリジナル句集】
句集/句読点
著者/柴田悦子
判型/文庫判並製・カバー装
価格/952円(税抜き)
瑠璃鳥は白神山地の句読点
夫の介護、間に母の介護に専念せざるを得なくなり、二十余年間を介護に身を挺してきました。こんな中で、俳句作りは自分を支える大切な時間でもあったのです。 これからを心豊かに暮らすために、俳句を力にしたいと思っています。
【オリジナル句集】
句集/花鎮
著者/脇村禎徳
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
寝違へし首をも嘉す初昔
集名の『花鎮』は、この句集に桜を詠んだ作品を多く収めたこともあって、ならば、その桜のくるおしい魂を鎮めねば、というほどの思いでこれを選んだ。そしてそれは、平成十九年の八月に身罷った母の鎮魂を、という私の願いにまた重なるものである。
【俳句作家選集】
句集/花浄土
著者/鳥毛正明
判型/四六判上製/カバー装
価格/2571円(税抜き)
あえのこと内儀伏し目に隣部屋
多彩な正明作品の中でも、こうした古い民俗文化への飽くなき追求に、最も輝かしい特色が見られる。一口に「能登の民俗詠み」と形容していいかもしれない。
【平成俳人叢書】
句集/雨竜郡
著者/大橋嶺彦
判型/菊判上製・カバー装
価格/2667円(税抜き)
早苗田の道どこまでも雨竜郡
石狩平野の北、江部乙に生をうけ、戦争という激動の時代を逞しく生き抜いた作者。いま大らかにその北の大地を詠い上げた句集である。石狩川の水で磨き続けた感性に淀みはない。 「早苗田の道どこまでも……」 紛れもない、田園の雨竜郡である。
【オリジナル句集】
句集/紫陽花の湖
著者/伊能 洋
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
枯れてなほ紫陽花にある湖の彩
画家である洋さんと俳句の接点はどんなところにあるだろうか。物を視ること、物のどこを見るかについて、その着眼にユニークなものを感じさせられる。 句はいずれも視覚が鮮やかで、しかも間合いがよく、画家の目を感じさせるものがある。