
【オリジナル句集】
句集/ホモサピエンス
著者/飯塚國光
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
激流の岩にとりつく冬鷗
激流の中に岩が突き出ている。その岩に一羽の?がとまっている。一歩まちがえれば激流に呑み込まれそうな場所に、?はなぜとりついているのだろう。轟々たる響きの中に、?はどうして留まっているのだろう。不思議な感じがしないでもない。この冬?の行動はしかし、ある日ある時の私たちの蒙?ぶりを暗示しているようにも受けとられる。その時私たちは、激流の危険を感じとっていない。

【オリジナル句集】
句集/広葉樹
著者/桜田延良
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
山茱萸に山茱萸いろの雨降つて
著者の住む吉祥寺の周辺もすっかり市街化されて自然が少なくなっているけれども玉川上水や井の頭公園など雑木林や葎が残っている。この句は山茱萸に雨がけぶるように降っているのだろう。心安らぐ武蔵野の景。一句はかるく詠んでいるけれどもここに至るさまざまな雑物を濾過した上澄みの表現である。

【オリジナル句集】
句集/つれづれに
著者/池 菊人
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)
チイさんのののさんになる別れ雪
俳句に深く傾倒するようになったのは母の入院が切っ掛けでした。病室に付き添うつれづれに俳句を作る機会が増えるようになりました。一語一語の言葉を大切にし、五・七・五を指折りながら、これからも俳句を楽しみたいと思います。

【オリジナル句集】
句集/玲瓏
著者/清水雪花
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)
休暇明け糊の効きたる白衣着て
雪花さんは理系のばりばりの薬剤師だ。この「リケジョ」もひょっとすると、かの大先輩たちのように花鳥諷詠の道をたどるのかもしれない。今は病いを得ているが、病いの中にあっても、自らを冷めた目で見て客観写生をしているところが凄い。すでに「花鳥諷詠」の徒である証だろう。

【オリジナル句集】
句集/迷走果てず
著者/二村博三
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
若葉映ゆ果たせぬ夢の余生かな
どうやら勝村先生に手を引かれて歩き始めた俳句の道も迷いながら二十一年になる。八十路も最終年にきた。

【オリジナル句集】
句集/縄飛びの
著者/新井竜才
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
縄飛びの子が鞠になり鶴になり
装画は弟、章一の絵を使わせて頂いた。わが原点でもある小鹿野町の春まつりの風景である。錫杖を突く娘御の表情が豊かに表現されていて、郷愁を誘う大好きな絵である。