新刊情報 – ページ 89

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野遊び

【イカロス選書】
句集/野遊び
著者/次井義泰
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

野遊びや地球大きな観覧車

近くの遊園地に孫たちと行って、観覧車を見上げたとき、ふと、「地球には多くの国や民族があり、それぞれの言葉を話し、衣装を纏い、木や石の家に住んで暮らしている」「喜怒哀楽のうちに、朝昼晩と地球の回転に順って暮らしている」とのイメージが膨らんでこの句が成った。

「あとがき」より
大正の雛

【オリジナル句集】
句集/大正の雛
著者/神野園子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

大正の雛とは思えず息づける

平成という時代のほとんどを綴った今句集はご主人さまやご家族との充実した日々を、神野さんの明るいフィルターを通して活写した幸福な境涯句集であった。

松本勇二
向日葵

【オリジナル句集】
句集/向日葵
著者/石原玲子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

向日葵の倒れてなほも散らざりし

写生による自然の諷詠、自然と生活によって織りなされた俳諧の世界、生業の精進が生み出した格調の高さ、夫に先立たれその心底にやどる思い── これからも健やかに活躍され、そしてご主人の分まで末永くお元気でおられることを祈る。

礒部 潮
春袷

【オリジナル句集】
句集/春袷
著者/小栗八重
判型/四六判並製/カバー装
価格/2400円(税抜き)

生れしより共にせし影十三夜

小栗八重さんが詠んだ影の句が二つある。太陽が高い時影は短く、低い時影は長くなる。光と影は一心同体で、光だけの空間では奥行は感じられないが、影を意識することで作者の句に奥行の深さを感じる。

能村研三
台東

【俳句ライブラリー】
句集/台東
著者/岡村 薫
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

江戸風鈴昔ここらは下屋敷

嫁がれてからの生活の中で自然と呟きのように生まれたに違いない。何よりも、家具商の家を預かる身として、ひたすらに歩まれて来た息吹を全編に感じる。そういう営みの中で、俳句が岡村薫さんの人生の上で大きな力となって行ったことは確かである。

山﨑十生
春一番

【オリジナル句集】
句集/春一番
著者/髙橋和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

春一番夜どほし玻璃戸鳴りゐたり

第一句集『初花』に次ぐ第二句集。内容を見ると内外を問わず、旅を続けている。その度に俳句作品を残している。また「翌桧」の行事以外に、多くの俳句大会に投句し、受賞している。常に積極的で好結果を出している。この度の第二句集は当然のことと思う。

中川須美子