新刊情報 – ページ 87

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石の一滴

【オリジナル句集】
句集/石の一滴
著者/北村眞貴子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

立秋の石の一滴石の渦

石の一滴は集まって川の流れとなり、やがて大河となり渦を成し、果ては悠久の大海へ消えてゆく。そこに人の一生を見る思いがした。

「あとがき」より
百灯

【オリジナル句集】
句集/百灯
著者/安宅智子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

冬休み百灯のごと娘の居りぬ

安宅智子さんは、自分の人生を「俳句を通して楽しく見つめる」という習慣を身に着けている。俳句が寄り添った人生を歩む人は、自分を俳句によって癒すだけでなく、俳句活動を通して周りのひとも癒す。

西池冬扇(「序」より)
青田

【オリジナル句集】
句集/青田
著者/白土昌夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

生き方を問はれて眺む青田かな

目の前の青田を前にして、現実的な農業のゆくて、これからの対応を問われたのかもしれない。その問いに、白土昌夫氏はただ誠実に、ありのままを答えている。そういう一景と考えてもよいと思っている。『青田』には、そうした地に足がしっかり着いた誠実な作品が多い。

大牧 広
喰ふ喰ふ喰ふ

【オリジナル句集】
句集/喰ふ喰ふ喰ふ
著者/牛村蘇山
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

喰ふ喰ふ喰ふ空空空や小春風

「喰ふ喰ふ喰ふ」は人間のみならず、生きとし生けるものはまず「食べなくては生きてゆけない」(後記)という信念が籠った措辞で、「空空空」は色即是空の空である。「喰ふ」「空」は同音で繋がり、広大で深慮な世界を詠んで、俳句という短詩型の醍醐味を示す句である。

永田満徳(「序」より)
初鏡

【オリジナル句集】
句集/初鏡
著者/奥井志津
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

慶びの悲しびの雛初鏡

奥井さんの来し方の万感の思いはこの一句に尽きる。 鏡に映る年波の歳月には、人生の喜びも辛酸の悲しみも一切を濾過した晴れやかな姿が投影されている。今は恙無き日々に感謝である。

鳥井保和
終の家

【オリジナル句集】
句集/終の家
著者/二ノ宮一雄
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

うさぎ小屋どの子も覗き卒業す

一雄はうさぎと子供に共感する。子供、妻、両親、人、動植物、森羅万象への思いやりとやさしさが句集に満ちている。 若き頃、壇一雄や眞鍋呉夫と共に小説を書いていた作者の私小説風の俳句は、身の回りのささやかな命と平和を愛する心にあふれる。

坂口昌弘