新刊情報 – ページ 2

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白猫

【オリジナル句集】
句集/白猫
著者/藤本始子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

白猫の恋のはじめの闇夜かな

なめらかな韻律の裡に嫋々たる春夜の情を感じさせる。表現は簡明でありながら、内実は、猫の恋のはじめの切なさと恋の悩ましさが絡み合っている。しかし一句は、大胆な省略によって白猫の恋の初々しさの印象が強く、猫の生命を讃える内容となっている。情景は、美しい白猫のはじめての恋の貴い美しさを思わせる。

井上康明
風月

【オリジナル句集】
句集/風月
著者/河内静魚
判型/四六判並製/カバー装
価格/1852円(税抜き)

うつくしく力抜けをり藤の花

この句集に漂う季語は、四季の流れのなかで、私とともにしてきた時間と空間と夢です。そんなもろもろを句集におさめて手放してしまった今は、これらの季語たちに、さよなら、また会おう、と呼びかけています。さようなら、ではなく、明るいさよならです。

著者
藤井冨美子全句集

【オリジナル句集】
句集/藤井冨美子全句集
著者/藤井冨美子
判型/A5判上製/函入り
価格/8000円(税抜き)

人遠く木の国眩し山ざくら

自然風物に託しながら、その心境は美しい。曲折の多かった冨美子の永い人生にも確かな到達が見られるのではなかろうか。海峡、白牡丹、大花野、冬銀河、蜜柑山、根の国、木の国、山ざくら、流し雛、花吹雪……、これらのことばには限りなく懐しさがこもっている。

和田悟朗
花田植

【オリジナル句集】
句集/花田植
著者/岡田暮煙
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

踊りつつ敲く太鼓や花田植

どの句も写生の目が行き届いている。写生の目が深く鋭くなるということは、それだけ自然や人間に深く観入していることであり、幽邃な自然の本質に近づいていることである。

鈴木貞雄
馬つ子市

【オリジナル句集】
句集/馬つ子市
著者/辻 桃子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

湯気立てるところに列や馬つ子市

失われてゆくものの面影を訪ねてひろい歩くことが、私の俳句なのかもしれない。時代の流れに忘れられてゆくものをこそ詠み留めておきたい。

「あとがき」より
口笛

【オリジナル句集】
句集/口笛
著者/藤本囀人
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

口笛は我の囀り聖歌吹く

解釈不要の秀句といってよいであろう。句それ自体が読者夫々の感慨、批評を求めている。余人の解釈を句自体が拒んでいる。句の更なる昇華を望んでやまない。

木津凉太