新刊情報

雁のころ

【オリジナル句集】
句集/雁のころ
著者/木野泰男
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

遠き灯の疾き瞬きも雁のころ

抒情性あふれる自然詠の多いこの句集の雰囲気を集約しているような一句である。一口で云えば、風景抒情がこの作家の本領であろう。だが、二十八年に入ると、氏の作風は大きな変容を遂げレトリックを意識的に排し、主情をつとめて抑え、即物・即事への志向を強めるなど、境地の深まりを示している。氏のこれからを、大いに期待する所以である。

黛 執
多摩野

【オリジナル句集】
句集/多摩野
著者/川上呉郎
判型/変形判/上製函入り
価格/2000円(税抜き)

風鈴や多摩野に妻と子と猫と

句集名は、現在居住し、おそらく終の住処になるであろう地「多摩野」によりました。私の住む小平市は、その中心近くで、急速に都市化して来ましたが、まだ、「多摩野」の影は残っています。

「あとがき」より
龍彦

【オリジナル句集】
句集/龍彦
著者/山下美典
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

先駆けの使命を持ちて蕗の薹

昭和三年生れの辰年であり、今年の立冬の日に米寿を迎える事となったので、干支に因んで名付けたのではあるが、あくまで「龍」と呼ぶ架空の動物が好きなものだから、句集はその名を引用したのである。

「あとがき」より
げんげ道

【オリジナル句集】
句集/げんげ道
著者/小田 有
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

たんぽぽの絮の全円風を待つ

「絮の全円」とは、うってつけの表現をされた。風の吹く直前の、たんぽぽの絮がすがた鮮やかに抽出される。風は絶えず吹くものであるから、全円の絮の瞬間のすがたをとらえたと言っていい。景の切り取り方がいい。

角 光雄
憧憬

【平成俳人叢書】
句集/憧憬
著者/高石直幸
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

天邪鬼も過客のひとり春の雪

句集『憧憬』と『素数』を同時に出版することとした。昭和四十八年から平成四年までの「雲母」時代の句と平成五年から平成二十三年までの「白露」時代の句をまとめて『憧憬』に収めた。

「あとがき」より
素数

【平成俳人叢書】
句集/素数
著者/高石直幸
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

龍太逝きし日のきさらぎの時計澄む

句集『憧憬』と『素数』を同時に出版することとした。平成二十四年からの「堊」と「今」の句をまとめて『素数』とした。集名に大きな意味はない。新しい俳句を目指してゆきたいと思っている。

「あとがき」より