新刊情報 – ページ 128

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茶歌舞伎

【女性俳人精華】
句集/茶歌舞伎
著者/野口久子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

春興や一と日利休の茶歌舞伎に

若い頃からの嗜みであり趣味でもある茶道は、礼に厚く控え目な作者の人柄に深く影響している。茶事の句数は多く、一句の姿に雅の趣を作り出している。

加藤房子
峠の時間

【オリジナル句集】
句集/峠の時間
著者/佐野まさる
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

父が植ゑし馬鈴薯花は母が摘む

まず思ったのは、佐野氏は抒情の人だということである。具体的に言うと、父・母・子など家族を詠んだ句が多い。ここには先師 大野林火の影響がみてとれる。一度俳句を止めた佐野氏が再び俳句に戻ってきてよかったと改めて思う。俳句をやっていればこそ、こうした作品を残し、家族を残すことができたのである。

大串 章
春隣

【オリジナル句集】
句集/春隣
著者/荻沼嘉枝
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

雄ひじわや農に向く手と言はれし日

萩沼嘉枝さんは常陸の地にお住まいですが、その土地にしっかりと根を下ろし、骨太の句を詠みつづけておられます。今回の句集には未収録ですが、私の大好きな一句をご紹介しておきます。

名和未知男
沢登り

【オリジナル句集】
句集/沢登り
著者/西尾美穂子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

沢登り終へてこたびは芒漕ぐ

美穂子さんは俳句を始められてすぐ、頭角を現されたという印象が強い。それも、最近めきめき腕を上げて、目立つようになって来たというようなタイプの人にありがちな、巧みで狙いが際立つような作品ではなく、一読、おっとりした、さりげない情景を捉えていながら、そこに何とも言えない滋味、余韻が感じられる句が多いというところに、その特徴があるように思う。

三村純也
朴の花

【オリジナル句集】
句集/朴の花
著者/上野泰子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

死ぬといふ大事残れり朴の花

父や兄を戦争で奪われ、引き揚げ、強制疎開、夫の早世等々、決して幸運な方ではない気がいたしますのに、なんとか無事に、しかも花鳥風月を愛でながら今日まで結構楽しく平穏に生かされてまいりましたことが、不思議でならないのです。

「あとがき」より
夢色の手紙

【女性俳人精華】
句集/夢色の手紙
著者/比嘉 安
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

わが山河まだ見つくさず甘蔗の花

何と大らかに夢をみつつ足許を確かに生きておられる比嘉さんであろうか。これからも日々是好日で耕しの日々を送られることとよろこばしく思えてならない。

佐藤麻績