新刊情報 – ページ 29

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反骨

【俳句ライブラリー】
句集/反骨
著者/山田一男
判型/四六判並製/カバー装
価格/2100円(税抜き)

反骨を貫くが為鰻食ふ

山田さんの句稿を拝見してまず感じたのは個性的だということである。句集というのはみな個性的で、個性的でない句集は無いのだが、山田さんの場合、とりわけ個性的だということである。

高橋悦男
日本海

【令和俳人叢書】
句集/日本海
著者/平野 透
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

北国の重き雲割り初明り

透さんは福井の出身だ。よく越前のことを聞く。見ている分には雄大な景観だが、冬には牙を剝いて襲いかかってくる厳しい環境だ。それだきに春の喜び、夏の日本海での泳ぎの楽しさ、太陽が沈まない光景などは忘れられないという。透さんらしい前向きの受け止め方だ。

石井いさお(「序」より)
青浄土

【オリジナル句集】
句集/青浄土
著者/佐藤ちゑ
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

初蝶に会うや飛び石先へ先へ

米寿を過ぎた辺りから亡くなるまでの約十年間の句である。遠くの吟行は控えていられるのか、身近なところでゆったりとした時間を楽しまれていたようだ。身の回りの初蝶に出会った喜びは若い時と変わらなく、表現も新鮮さを求めておられる。

西池みどり(「序」より)
絹の雲

【オリジナル句集】
句集/絹の雲
著者/西岡佐和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

秋空に天女忘れし絹の雲

佐和子さんは闘志を表に出さない方だが、しっかりした性格と強い意志で着実に実績を向上させてきた。よき家族に囲まれ、好きなちぎり絵に打ち込み、時に旅を楽しむ佐和子さんの人生は幸福に満ちている。

石井いさお(「序」より)
澪杭のごとく

【オリジナル句集】
句集/澪杭のごとく
著者/幹 自聲
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

朱鷺の首雪降るたびに黒くなり

<自聲は一句を作ることに全身であたっている。事象への着眼、素早い瞬発力、緻密な調査など、わずかな時間を惜しまない熱心さが感じられる。俳句勘が働く、素質がいい。これは修練の結果でもあろうが、なにかそれ以上のファクターがあるような気がした。/span>

宮坂静生(「序」より)
表裏一体

【オリジナル句集】
句集/表裏一体
著者/福田千代子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

噴水の表裏一体立ち上がる

「表裏一体」とは千代子さんの発送の斬新さに驚く。この句集を手にした誰もが噴水を見るたび、この言葉を思い出すことだろう。二十数年間に得られた千五百句以上の句には、その時その時その場その場の思いがぎっしり詰まっている。

名村早智子(「序」より)