新刊情報 – ページ 37

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沙羅の花

【オリジナル句集】
句集/沙羅の花
著者/鹿田欣子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

百歳の膝に日晴子沙羅の花

句集名『沙羅の花』は、夏椿とも呼ぶ純白の清楚な花。その許で、百寿の姑が曽子の初宮「日晴子」を膝に抱く姿を詠んだ句による。このうえなく目出度く清々しい光景と心情を誘う。

岸原清行
光エトランゼⅡ

【オリジナル句集】
句集/光エトランゼⅡ
著者/髙木ひかる
判型/四六判上製
価格/2400円(税抜き)

一人なら通れる道や蛇苺

先入観なしに、髙樹ひかるさんの第二句集『光 エトランゼⅡ』を読んでいただきたい。詠みたいことを詠みたいように「これが自分」と覚悟を決めて詠んだ俳句だ。きっと楽しんでもらえると思う。

加藤かな文(「序にかえて」より)
深雪晴

【オリジナル句集】
句集/深雪晴
著者/伊藤幹哲
判型/四六判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)

白日へまばゆき鷹を放ちけり

どの句も季語の輪郭が鮮明である。拡張の中にしっかりと景が生きている。鷹のごとくさらなる飛翔を志す本格派の新人の句集である。

涼野海音
横顔

【令和俳人叢書】
句集/横顔
著者/須田眞里子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

横顔というふは正直夜の秋

ご主人の横顔を覗いた時のふとした思いであろうか。「横顔といふは正直」という発見と、「夜の秋」と置かれた季語とのバランスに無理がなく、読み手に素直に伝わって来る。

髙橋健文
花の坂

【俳句作家選集】
句集/花の坂
著者/新開英毅
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)

咲くもよし散るもまたよし花の坂

私どもの希求する「自然(しぜん)即自然(じねん)」である、あるがままの無為無欲の境地そのものであろう。しかし、それだけでは済まない、例えば冬木が一切のものを放ち切ったような清々しさを見、堂々とした歩調がこの句より想像される。

谷中隆子(「序」より)
手毬の子

【オリジナル句集】
句集/手毬の子
著者/坂本ふく子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

知らぬ世をすらすら唄ひ手毬の子

坂本ふく子さんの俳句は生活から生まれ出ている。日々の生活、家族をいつくしむ心が俳句に溢れている。気取ることのない普段着の言葉で対象物を的確に表現している。俳句の本来持っている素朴さにあふれた作品である。
墓よりも高き子となり墓洗ふ
おほたかは母訪ふしるし古暦
塩鮭を捧げ持ちきて婿となる
母のもの子のもの縫ひし針祀る
これらの句には坂本さんの優しさがにじみ出ている。人と為りそのものが俳句の魅力となっているのである。俳句に親しんで三十年余。見事な句集として昇華された。

依田善朗