新刊情報 – ページ 157

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雷鼓

【平成俳人群像】
句集/雷鼓
著者/山口素基
判型/菊判上製・カバー装
価格/2667円(税抜き)

雷鼓打ち天に神あり稲の花

俳句も絵画も求めるところは同じなのではないかと思える。そうであるなら、「命の輝きを求める」ということに繋がっているではないか。集中に、もし一句なりともこの「命の輝き」の片鱗を捉えられていたならば、望外の喜びである。

「あとがき」より
桐の花

【オリジナル句集】
句集/桐の花
著者/嶋木勝次郎
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

東京を墳墓と決めて桐の花

再び上京して焦土と化した東京でクリーニング業を再開、ご苦労の末に業界の重鎮まで昇りつめることになりました。人一倍故里を愛し、父母を思い、郷愁の念を深くしながらも東京を終の棲家と決めた心境を詠んだ作品です。

環 順子
花筏

【その他】
句集/花筏
著者/丸茂ひろ子
判型/文庫版並製・カバー装
価格/私家版円(税抜き)

動かずにゐる満月の花筏

第一句集を上梓してそろそろ十年になる。なかなか厄介な病気と共に歩んだ十年であった。五十年に近い俳句人生であるが、八十歳を越えてはじめて、俳句の楽しさを知った気がする。私の傍らにはいつも、俳句があった。

「あとがき」より
蟻耕す

【オリジナル句集】
句集/蟻耕す
著者/山岡蟻人
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

田を打つやしだいに土のねばつきて

日々の暮らしの折々から豊かに俳句が湧き出した。これを読んでいるだけで、蟻人さんの暮らしが手にとるようにわかる。特に、季題は、農の生活の中から生まれたものだから、こういう実体験の農の俳句が詠まれることは、どんなにか季の世界を豊かにしてゆくことかとうなずかされる。

辻 桃子
囀りの椅子

【オリジナル句集】
句集/囀りの椅子
著者/上野紫泉
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

こんなにも囀りだれもゐない椅子

全体を通して窺えたのは、なにか自分という場を、自分という量を探し、「重み」として意識しようというような歩みである。紫泉俳句は春の「囀り」に始まり、秋の「色鳥」に収まるが、まだ自分史は続く。冬を越えて、また「囀り」にぜひ繋がってほしい。

豊田都峰
炭塵

【その他】
句集/炭塵
著者/荒金久平
判型/新書版並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

硬山の空美しき花火かな

炭鉱に働く一俳徒として、季感の少ない坑内や職場を描写し得る範囲は限られている。しかし、ありの儘を虚飾なく詠い続けたいと願う思念があればこそ今日まで俳句し得たものと思う。

著者