新刊情報 – ページ 58

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蠟梅

【オリジナル句集】
句集/蠟梅
著者/若森京子
判型/文庫判上製・函入り
価格/2500円(税抜き)

蠟梅やシルクロードの荷をほどく

この人は、俳句の世界の中でずっと生きてきて、今関西の方の新聞の選者になっている。関西というところは、おもしろい俳人が多い所だから、そういう中で選ばれるのは若森の才能だ。

金子兜太
緋の色

【オリジナル句集】
句集/緋の色
著者/酒井英子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

緋の色を根より授かり染始
黒南風や天気図を貼る染工房

うっかりすると見落としてしまいそうな「染め」の勘どころをぴたりと押さえた句だ。教員・主婦・福祉の人、そして、染色家。さらに俳人とめまぐるしい日常を過ごしながら、社会問題にも関心を怠らない人、それが英子さんなのだ。

加古宗也(「序」より)
新樹光

【オリジナル句集】
句集/新樹光
著者/藤戸紘子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

尾羽引き孔雀の歩む新樹光

紘子俳句は初心時代から徐々に変化を見せ、表面的な写生から。ものの命をねんごろに詠むようになる。俳句を始めて、まだ十四年。紘子俳句は今後、さらに深みを増すに違いない。

田島和生
初堰の日

【オリジナル句集】
句集/初堰の日
著者/五味澄子
判型/四六判上製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

初堰怠け心をいさめをり

初堰は一月八日、八ヶ岳を水源とする水利権を見回る一年のはじめの行事で、今年も始まる緊張感を詠んだ句に実感がある。山を財産区に持つ山村では、町住みの者には計りかねる長い伝統の中で培われた連帯感がある。

宮坂静生(「序」より)
飛花落花

【オリジナル句集】
句集/飛花落花
著者/森 敏子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)

花曇り身をくぐりゆく水の音

敏子さんが寄せられる俳句は妖しげで妖艶な美しさがあり、研ぎ澄まされた感性に、時には鬼気迫るものがある。この世とあの世、そしてそのどこかに兄、高倉健の姿が影となって見え隠れする。

山本悦夫
透明なエレベーター

【オリジナル句集】
句集/透明なエレベーター
著者/伊藤昌子
判型/四六判並製・カバー装
価格/2200円(税抜き)

月明の野に透明なエレベーター

著者は、自らを形成するものの中心に筝曲と俳句の二つの柱を持つ。演奏中は思いをすべて琴の音に託すように、俳句を詠むときは、喜びも悲しみも人恋しさも、俳句という形式を信じて十七音に託す。独特の感性から生まれる詩的世界が第二句集で更なる広がりを見せた。

「好日」主宰 髙橋健文