新刊情報 – ページ 147

  • HOME
  • 新刊情報 – ページ 147
女坂

【オリジナル句集】
句集/女坂
著者/白神知恵子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)

後押しの風あたたかや女坂

この「後押しの風」が擬人化されたものであり、「あたたかや」のうしろに「人」の居ることが察しられよう。「女坂」という言葉が、時に優しく、また時にその優しさの中に、一すじの引き締まった語感をもって、読み手の心を捉えるのである。

安立公彦
朝比奈雑記

【その他】
句集/朝比奈雑記
著者/明石晃一
判型/四六判上製/カバー装
価格/2750円(税抜き)

懐かしくこころ豊かなエッセイ

鎌倉を中心に、四季の自然の中に身を置き、五感と対話しながら丁寧に拾い上げ表現されています。優しく真心を持って接した人や風景や生活の中から生まれて出来たものです。

伊藤通明
寸陰

【200句精選】
句集/寸陰
著者/池田昭雄
判型/四六判並製/カバー装
価格/1905円(税抜き)

水神の祠の下に魚簗を打つ

ようやく、この十年の歩みを振り返ることが出来たと思っております。このような充実した時間を持ち得ましたこと、これも俳句が身近にあったからだと感謝しています。

「あとがき」より
里山三角点

【俳句ライブラリー】
句集/里山三角点
著者/鱸 鉱志
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

三角点蕨に埋まる十明かな

一般には三角点とは何のことだろうと問われるが、三角測量の基準点で花崗岩又は金属の標識である。この無機質なものを入れると詩性が損なわれ易いが、蕨・桜・青嶺などを配し一句をやわらかに包んでいる。

梅村半醒
風に吹かれて

【オリジナル句集】
句集/風に吹かれて
著者/柳田 寛
判型/文庫版・ビニールカバー装
価格/952円(税抜き)

秋風や忘るるために海見つめ

秋風に押されるようにしてやって来た海。忘れたいこととは何であろうか。それは他人に話すことではなく、身の底を打ってくる波をひたすら見つめ、己に問うて解決してゆくばかり。

清水道子
暫

【オリジナル句集】
句集/暫
著者/深田雅敏
判型/四六判並製/カバー装
価格/2300円(税抜き)

「暫」と両手で冬を押し返す

「暫」は歌舞伎十八番の一つで、荒事(あらごと)の代表的な演目である。その「暫」を踏まえて、「冬」の厳しい寒さを両手で押し返す、と言ったところが一句の眼目である。あえて言えば、深田氏の人生観を看取する。病気や多忙に負けず、積極果敢に生きようとする心意気を感ずる。

大串 章