新刊情報 – ページ 146

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囀りの椅子

【オリジナル句集】
句集/囀りの椅子
著者/上野紫泉
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

こんなにも囀りだれもゐない椅子

全体を通して窺えたのは、なにか自分という場を、自分という量を探し、「重み」として意識しようというような歩みである。紫泉俳句は春の「囀り」に始まり、秋の「色鳥」に収まるが、まだ自分史は続く。冬を越えて、また「囀り」にぜひ繋がってほしい。

豊田都峰
炭塵

【その他】
句集/炭塵
著者/荒金久平
判型/新書版並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

硬山の空美しき花火かな

炭鉱に働く一俳徒として、季感の少ない坑内や職場を描写し得る範囲は限られている。しかし、ありの儘を虚飾なく詠い続けたいと願う思念があればこそ今日まで俳句し得たものと思う。

著者
風の余白に

【オリジナル句集】
句集/風の余白に
著者/松瀬むつ江
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

銃眼の風の余白の九月かな

松瀬むつ江には二つの流れがあった。創作のテンションが高まれば心象造型に針が動き、肩肘張らずに俳人気質に戻れば身辺詠に流れていく。その振幅をつづけながら、いま〈創る〉に向かって歩む姿勢がいちだんと濃くなった。松瀬作品が成熟した証である。それらを盛ったこの一冊、秋の詩の卓(テーブル)に置けば、きっと風がめくって、その余白の〈豊穣〉を燻(くゆ)らすだろう。

星永文夫
翔つ力

【俳句ライブラリー】
句集/翔つ力
著者/野村邦翠
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

翔つ力砂に刻みて冬鷗

「砂に刻みて」は実際の写生を超えた、冬鷗の飛翔に加勢しないでは居られない愛情のほとばしりが砂に刻ませたものであろう。

中坪達哉
水旨き

【平成俳人叢書】
句集/水旨き
著者/守屋光正
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

水旨きこの地に暮らし耕せる

年々歳々、身近な自然と、めぐりくる季節相手の暮らしの中で、生まれて育って、いま生かされているこの地を愛しながら、俳句という宝物に向き合ってゆきたい。

著者
山のもの

【俳句ライブラリー】
句集/山のもの
著者/山浦美代子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

春立つやこのほろ苦き山のもの

「良い感性の佳句」が沢山あるとの思いを強くしています。「草の花」の一泊吟行会等でも、常に叙景派の力を遺憾なく発揮され、何回も好成績を収めておられます。

名和未知男