新刊情報 – ページ 150

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木曾山中

【オリジナル句集】
句集/木曾山中
著者/加藤三辰
判型/四六判上製/函入り
価格/3200円(税抜き)

子規追ひて来し桟や社鵑花燃ゆ

本集では、子規研究では初となる、正岡子規「かけはしの記」踏破探訪論考を併載された。句集としては付載に見えながら、探訪論考としてはまさに句集と相補う関係で組み立てられた、新機軸の有意義な一書である。木曾路の山中の自然と人文との綾なす景観記述によって、時空を組み合わせての子規再現があり、新たなる文学継承への道筋となった。

和田克司
風を聴く

【オリジナル句集】
句集/風を聴く
著者/村山春子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

伊勢参り風を聴く目に宇治橋を

自然への対応のよろしさは始終一貫で、句の調子にも乱れがなく、傘寿を超えておられる春子さんでありますが、作品中そんな齢を感じさせるものは皆無です。長い間、身辺に生起する事柄をごくさりげなく詠むことで詩ごころを磨いて来られたことを思います。

古賀雪江
風鈴

【オリジナル句集】
句集/風鈴
著者/秋葉裕子
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

あたたかき母の掌共に青き踏む

秋葉さんの素直で優しいお人柄が、この句に表れており、それはこの句集全体にも通じるものです。多くの句の中から精選された成果が、この『風鈴』に結実しました。

栁下惇夫
紅薔薇

【オリジナル句集】
句集/紅薔薇
著者/浅沼郁子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

紅薔薇を夫から貰ふ誕生日

『紅薔薇』は異色の句集である。どこが変わっているかというと、この句集は、初めから終わりまで、看取りの句で埋めつくされているのである。まず、実母の看取り、次いで義母の看取り、そしてご主人の看取りと、続けざまに三人の人を介護している。浅沼さんの場合、ただ看取るばかりでなく、ご本人も病気で、入退院をされている。その病気も決して軽いものではない。こんな人は滅多に居ない。浅沼さんは、その看取りの日々を淡々と、しかし、しっかり句に詠まれている。

高橋悦男
花野に

【イカロス選書】
句集/花野に
著者/小西領南
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

花野にとどく死去を告ぐ拡声器

人間に「あの世」があるとは信じませんが、日本や外国の宗教の一部に「花野」と死後の関係の書物も有ります。掲句は、あの世の妻をはじめ大勢の先輩、同僚に捧げる意味も含めました。

「あとがき」より
続 松の尾

【オリジナル句集】
句集/続 松の尾
著者/久松久子
判型/文庫版・ビニールカバー装
価格/952円(税抜き)

風花に浮力をもらふ御神前

三年ほど前、松尾大社の宝物館に保管されていた十七体の神像が公開された。平安後期作と銘文が残る。神像として大変古いものとされ貴重な存在である。高さ一尺ほどで、虫喰いにかろうじて形ばかりのお姿のもあるが、神様というより翁媼の風貌で、笑顔の面差しが実に親しく、ちんまりと鎮座する。

著者