新刊情報 – ページ 144

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花田植

【オリジナル句集】
句集/花田植
著者/岡田暮煙
判型/四六判上製/カバー装
価格/3000円(税抜き)

踊りつつ敲く太鼓や花田植

どの句も写生の目が行き届いている。写生の目が深く鋭くなるということは、それだけ自然や人間に深く観入していることであり、幽邃な自然の本質に近づいていることである。

鈴木貞雄
馬つ子市

【オリジナル句集】
句集/馬つ子市
著者/辻 桃子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

湯気立てるところに列や馬つ子市

失われてゆくものの面影を訪ねてひろい歩くことが、私の俳句なのかもしれない。時代の流れに忘れられてゆくものをこそ詠み留めておきたい。

「あとがき」より
口笛

【オリジナル句集】
句集/口笛
著者/藤本囀人
判型/四六判上製/カバー装
価格/2593円(税抜き)

口笛は我の囀り聖歌吹く

解釈不要の秀句といってよいであろう。句それ自体が読者夫々の感慨、批評を求めている。余人の解釈を句自体が拒んでいる。句の更なる昇華を望んでやまない。

木津凉太
春星微笑

【オリジナル句集】
句集/春星微笑
著者/横山哲夫
判型/A5判上製/函入り
価格/私家版円(税抜き)

絵本購い帰る春星たちの微笑

2013(平成25年)年9月21日の傘寿誕生日の夜に、俳句の整理に着手した。仕事の合間を縫っての、深夜早朝の1人の作業である。趣味は琴棋球文(音楽に碁にテニスに読書)をはじめ遊びの武芸十八般にはたいてい首をつっこんできたが、人に語れるものと言えば門前の小僧の頃からの俳句にすぎない。日記を書く代りに、写真を撮る代りに、折々のことが私の句帳に留まっている。化学実験の滴定の俳句もあれば、大学紛争の俳句も残っている。

著者
母の香の扇子

【オリジナル句集】
句集/母の香の扇子
著者/高階菊村
判型/四六判並製/カバー装
価格/1900円(税抜き)

畦道の緑走れる雨水かな

想いありて、緊張を強いられる仕事を遠のいた高階が、晩年に来て文學に堰を切る。それは文豪が晩年に野の花をスケッチし、画伯が随筆を認め、追い求め行く美しさを、自分の領域で描ききれなかった無様さにケジメをつけて、人生の辻褄を合わせるのと似てはいまいか。そう想う時~俳人高階の掌からこぼれ落ちる砂金のようにキラキラと輝く真実の言葉のひとつひとつが、たまらなく愛しく切ない。

作詞家 東海林良
奈良団扇

【女性俳人精華】
句集/奈良団扇
著者/大浦郁子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

奈良団扇かざして見ゆる角振町

この句は、本句集の題名になったもので、奈良団扇は、手漉き和紙を染め、天平模様や奈良の風物を透かし彫りしたもの。今では奈良市内の角振町というところにある池田含香堂という店一軒のみで売られている。角振町は「つのふり」と読む一風変わった町名で、「元の木阿弥」という有名な諺はこの町から生まれたそうだ。

能村研三