新刊情報 – ページ 53

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コスモスの径

【オリジナル句集】
句集/コスモスの径
著者/野口充女
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

春近し櫛に素直な今朝の髪

技巧的で、抒情的であり、女性でなければ詠いあげられぬ境地というべきであろう。女を題材とした作者の句に佳句の多いのは、客観的に自己を観る目が備わっている故である。

原田樹一(「風鈴」昭和五十年八月号および五十三年五月号より)
梅が香の里

【その他】
句集/梅が香の里
著者/谷中明子
判型/A5判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)

老齢の今が旬なり秋高し

俳句を始めて二十年。鳥の声、蜜柑や梅の収穫の喜びなどを句にして、孫の句、旅の句も思い出に—―。

歩き神

【オリジナル句集】
句集/歩き神
著者/森 加名恵
判型/変形判並製/カバー装
価格/1800円(税抜き)

旅人を迎ふる鳥の声涼し

世界中でウイルスが蔓延する中、必ずこの苦難から乗り越えられることを信じている。人をそぞろ歩きや旅に誘い出す神にあやかり、句集名を『歩き神』とした。これからも私の旅は続く。

東京の雑煮

【オリジナル句集】
句集/東京の雑煮
著者/星野こうき
判型/四六判並製/カバー装
価格/2400円(税抜き)

縁先に妻を呼びたる良夜かな

何気ない、何の衒いもない句なのではあるが、星野君を現して一点の曇りもない。彼のやさしさ、静かさ、穏やかさが匂い出ている。この句を読むと、彼のいつも変わらぬ笑顔を思いだすだけでなく、おい、傘寿を寿ぐにはまだ早すぎるんじゃないか、とからかってみたくなる。

斎藤惇夫(「序」より)
鯛焼

【オリジナル句集】
句集/鯛焼
著者/後藤恵子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2300円(税抜き)

大手門出でて鯛焼ほほばりぬ

ある時、恵子さんはこう言った。「私は人間が好きやねン」。何がどういうことはないのだが、妙に腑に落ちたことを覚えている。要は底辺が温かいのである。

岩津厚子
磐梯

【オリジナル句集】
句集/磐梯
著者/桜井たかを
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

冠雪の威風堂々会津富士
愚直なり鍬一本の蟾蜍

威風堂々の会津富士(磐梯山)は、文字通り歌に詠われた宝の山。「愚直なり」は正直者の証で、鍬一本に賭けた畑仕事はさながら蟾蜍のごとしである。

島村 正(「序」より)