
【和華双書】
句集/天泣
著者/庄司久美子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2100円(税抜き)
天泣の大地七色龍の玉
日常を素材とした句が主流で、とりわけ俳味豊かな取合せに作者の感性が発揮されているのが印象的である。全体を通して、三十年余り俳句を続けてきた心の余裕が伝わってくる句集であると感じた。

【女性俳人精華】
句集/千年の花
著者/福山千代子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
樹幹より千年の花噴き出せり
長い歳月を経て苔が生じ荒涼とした樹幹、その老いた姿からは思いもよらぬほどの花が溢れるように咲き出たという句である。おそらくこの世のものならぬ神秘的な美しさを宿した花であったことだろう。

【オリジナル句集】
句集/雨曜日
著者/広瀬ちえみ
判型/四六判並製/カバー装
価格/2300円(税抜き)
うっかりと生まれてしまう雨曜日
かつて誰もが覗かずにいられない広瀬ちえみの沼があった。長い時をかけて木立が繁り、今は沼は見えない。ちえみを探したければ、旅をしてそこに行けばいい。

【オリジナル句集】
句集/風 あ・うん
著者/榮田しのぶ
判型/四六判上製/カバー装
価格/2400円(税抜き)
肥後に来てばらけ始めた鰯雲
〈あうん〉は最初と最後のように、相対する二つのものについていう語とある。それを表題に取り入れた榮田は、わが内なる何を相対するものとして捉えているのであろうか。その確執を調整し、調和を図るべく作動させたのが、〈風〉であろう。常に揺れる、その揺れを自らの〈うた〉としたのだ。

【オリジナル句集】
句集/花しぐれ
著者/稲井爽秋
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)
花しぐれしぐれて花の闇深む
私の生きて来た足跡を”有季定型”の俳句で残そうとするものである。

【俳句作家選集】
句集/花の城
著者/廣﨑龍哉
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)
銃眼の三角四角花の城
第三句集『花の城』は、最近の十年間に作った数多くの句の中から三〇〇句に絞って取りまとめたものである。小田原城の掘割を取りまく満開の桜、白壁には三角や四角銃眼があり、死線を空に向けると白亜の天守閣が青空に聳え立っている。感動のひと時、至福のひと時であった。