新刊情報 – ページ 77

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手を置く

【オリジナル句集】
句集/手を置く
著者/加藤美代子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)

八月の埋もれし七日砂時計

これらを遺したかったために、加藤美代子さんは句集『手を置く』を纏めたかったのであろう。その意味でこの句集は、加藤美代子の人生の軌跡を示したもの、といえるだろう。

石 寒太
まほらの郷

【オリジナル句集】
句集/まほらの郷
著者/宮坂 碧
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)

嬉しさの数ほど弾け檀の実

「檀の実」は寒雷俳句大会の折に地元として句友を歓迎する心情を詠み、参会者満堂共鳴の”嬉しさの数ほど”は見事という他はない。

中澤康人(「序」より)
天地

【俳句ライブラリー】
句集/天地
著者/嶺岸さとし
判型/四六判並製/カバー装
価格/2095円(税抜き)

たんぽぽや端農身の丈に合う

さとしさんは高校の教師を定年まで勤め、今は家の周りの畑で農作業をしている。この「端農」はさとしさんの造語かも知れないが、農家の端くれだと、ご自分のことを言っている。だけど、彼から貰った白菜はでかくて固くて立派だった。この「端農」の句に佳い句が沢山有る。

中村孝史
州羽神

【オリジナル句集】
句集/州羽神
著者/百瀬早苗
判型/四六判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

州羽神の系図かかげて円座敷く

「州羽神」は「諏訪神」建御名方神。神社の斎館のようなところの板の間、あけ放たれた窓を覗くと円座が敷かれ、これから氏子の会が行われようとしている。山中の涼やかな末社の一場面がうかぶ。諏訪の風土をうつしとらんとする姿勢は、まさに蕪城先生につながるものである。

古田紀一
天を指す

【オリジナル句集】
句集/天を指す
著者/片桐盛男
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

寒林の一枝余さず天を指す

この句は作者の思いを身辺の樹木に託された作品であり、この一句を通して作者の信念を知るのである。どこまでも静謐な生活を貫けたことは一方には強い信念を持っておられたにちがいない。

佐藤麻績
壽人歳時記

【オリジナル句集】
句集/壽人歳時記
著者/前 壽人
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

菊日和吾もなかなか頑固もん

俳句は長くたしなんではいても、小説や音楽のレッスンの方に力を注いでしまって、句集のまとめはいっこうに本腰にならなかった。それがここにきて、一気にまとまった。題して『壽人歳時記』。まるで歳時記のように、自由な項目を立て、壽人流の区分けをしているところがたのしい。

辻 桃子