新刊情報 – ページ 74

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彩

【オリジナル句集】
句集/彩
著者/藤山美歩
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

待春や墨絵の花の二十彩

句会を共にすることが多い。特にこの数年は、積極的にいくつかの句会に熱心に足を運び、研鑽に努めている。その結果、修辞に工夫が加わるようになり、句に幅がついてきた。擬人法とか断定の句にその成果の一端をみることができる。

河内静魚
母の鍬

【オリジナル句集】
句集/母の鍬
著者/宮下美代子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

春耕や使はず捨てず母の鍬

健康で傘寿を迎え、元号も平成から令和に変りよい節目と思い、清崎敏郎先生、鈴木貞雄先生のご指導のもとに俳句と共に歩んで来た証にと句集を思い立ちました。改めて整理してみると拙い句ばかりですが、一句一句にその時々の情景が甦り妙に懐かしく感慨を深くしました。

「あとがき」より
貿易風

【オリジナル句集】
句集/貿易風
著者/中島吉昭
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

貿易風背負ひヨットの帆を掲げ

中島さんの俳句人生はこれからである。俳句の海に揺曳しながらも、豊かな詩質を包摂しつつ、師朝人から指さされた方に、更に航海を続けてゆくことであろう。貿易風のかなたの大きな帆の様に。この美しい句集が、その始まりにまことに相応しいものである事を思うのである。

島端謙吉
敵は女房

【オリジナル句集】
句集/敵は女房
著者/並木邑人
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

宿敵はずっと女房秋ざくら

宿敵とは実力が伯仲する競争相手のこと。好敵手ともいい、相手に対する敬意のようなものが含まれる。邑人と奥様は文学のみならず人間学の競い合いをして来たのでは。それも邑人の学生時代から。照れくさそうな邑人の顔が見えるが、掲句、邑人が気合を込めて表明する奥様への愛である。句集名『敵は女房』の拠って来たる所以である。

檜垣梧樓
鶴唳

【イカロス選書】
句集/鶴唳
著者/小杉伸一路
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

鶴唳の止みて星座の瞬ける

句集名は、鹿児島県出水市の鶴の越冬地を吟行した際の句から採った。前半は副主宰時代の、後半は主宰就任以来の俳句を配している。副主宰の時代は主宰に従っておればよかったが、主宰になってからは、全ての事項を自分で決めなければならず、作句の量も選句の量も、副主宰時代より飛躍的に増加した。その変化が、この句集には反映されているかもしれない。

「後書き」より
雪柳

【平成俳人群像】
句集/雪柳
著者/広野草雄
判型/菊判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

もっこの土が重すぎてからすの言葉わからない

広野草雄は生粋の農民俳人である。始めと終りと、そして、終りと始めとーーは、人間のあらゆる営みの永遠につづくテーマだが、『雪柳』は広野草雄という一農民が、俳句という小さな表現形体を身に体して、それに挑んだ一つの道程であった。

田中 陽(「序」より)