新刊情報 – ページ 172

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雁の雫

【ミューズ選書】
句集/雁の雫
著者/長嶺千晶
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

揺らぎつつ列を保ちて雁の雫

現在、私は同人誌「晶」という雁の列を作り、ようやく一周年を迎えた。ささやかな俳誌だが、ひとつの家族という思いでいる。これからも「晶」とともに生身の己れを俳句に詠み続けることで、すべてを乗り越えてゆこうと思う。

(「あとがき」より)
和-nagomi-

【ベストセラーシリーズ】
句集/和-nagomi-
著者/羽多野和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

祭髪結ひかけしまま駆けてゆく

家を何よりも大切にする彼女の作品には幸せが自然に滲み出た句も多い。本人は意識していないであろうがその自然体が特にいい。押しつけではなく、自然に発露した母性愛が素直に詠めていてとても好感が持てる。

石井いさお(「序」より)
偏西風

【オリジナル句集】
句集/偏西風
著者/井上ひろ子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

光年の星をしたがへ飛ぶ螢

井上さんは生粋の鍵和田門下生である。生命の一瞬の輝き、そして未来への希望がこの短い詩に凝縮していることに驚く。草田男が目指し、鍵和田主宰が継承された「俳句が他の文芸・芸術と肩を並べられるように」の願いは、この一句により易々と成し遂げられた感がある。

守屋明俊
金剛山裾

【オリジナル句集】
句集/金剛山裾
著者/澤本美登里
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

枝川の奔り金剛山(こごせ)の雪解どき

著者は永く金剛山の裾野に住んでおられました。これらの句からは、山国での生活がうかがわれます。自分の住む地を暗く厳しくも感じつつ、かけがえのないいとおしい地とも思っているようです。

古賀雪江(「序」より)
藻刈舟

【オリジナル句集】
句集/藻刈舟
著者/井上孝夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

藻刈舟舫ふ入江や虚子の句碑

孝夫氏は常に真摯に取り組まれ、伝統俳句、ホトトギス俳句の研鑽に努められて今日に至っている。俳句には鋭い感性と知性に溢れた句が多いが、諧謔味の句もあり、氏の人間性の幅の広さを物語っている。

石川多歌司
昨日触れたる

【オリジナル句集】
句集/昨日触れたる
著者/髙勢祥子
判型/四六判並製/カバー装
価格/1714円(税抜き)

少年の脛にて分かつ夏の川

髙勢祥子は世界をういういしい身体性としてとらえる。現実の具体的現象を手、脛、口、舌、目、耳、はらわた、臀等で受け止めなおす。赤ちゃんが自らの体の細部に初めて触れる時のように。 この爽やかな歌いぶり。 季語に迎合しない知性とユーモアの句集だ。

八木幹夫(詩人)