新刊情報 – ページ 173

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祷りの木

【イカロス選書】
句集/祷りの木
著者/橋爪鶴麿
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

春ははじけるように訪れ青い壺

あえて字余りの句を取り上げる。それは下句に置かれた「青い壺」の存在感が私を惹きつけるからだ。上句から流れるような、散文調ともいえる語調が見事に切れ、一転して目はこの「壺」という物体一個に集中する。しかもその「壺」はただ色だけにより説明され、あとは想像力が試される。朝鮮の美を象徴する青磁の器か、あるいは春の陽光の射しこむ居間に飾られた日用の花器か。「青い壺」がまるで青年のように光る。

酒井佐忠
手賀沼

【オリジナル句集】
句集/手賀沼
著者/井出正仁
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

私は八十五歳になった。これは第一句集である。農村に生まれ、志願兵として三ヶ月で敗戦。その後、東京で四十年間教職にあった。俳句を始めてから約三十年。その間多くの句を作ってきた。そして少しずつ向上してきたと思う。しかし、俳句だけでなく、人間として成長していかなくてはならないと痛感している。大切なことは、次の二点と考えている。

赤き手袋

【オリジナル句集】
句集/赤き手袋
著者/実松展子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

遊べよと赤き手袋届きけり

「遊べよと」という率直さがよいし、それをうけての詠み下しの叙法も理に適っている。言葉と調子の呼吸がぴったりしているので、乱れがない。清々とした気分で、大いに遊ぶがよかろう。自在な句がそこからなお生まれてこようというものだ。

星野麥丘人
記念樹

【オリジナル句集】
句集/記念樹
著者/安田直子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

記念樹知らず人寄る茂りかな

安田直子さんは温かい距離感をたたえた人である。 俳句は思索という立場から詠まれているが、単に思索のための句ではなく共感させる力を持っている。「知と温かさ」と言えばよいだろうか。

大牧 広(「序」より)
東歌

【オリジナル句集】
句集/東歌
著者/猪股洋子
判型/四六判並製/カバー装
価格/私家版円(税抜き)

胸中に言葉が育つ青林檎

人はいつも胸中にことばの種を持っている。言わねばならぬ、言わざるを得ないことばである。それはいつの日か言葉へと育って、外へ播かれねばならない。幾歳になってもそうなのだ。生涯俳句とはそういうことだ。

田代朝子
青林檎

【女性俳人精華】
句集/青林檎
著者/末園 薫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2476円(税抜き)

胸中に言葉が育つ青林檎

人はいつも胸中にことばの種を持っている。言わねばならぬ、言わざるを得ないことばである。それはいつの日か言葉へと育って、外へ播かれねばならない。幾歳になってもそうなのだ。生涯俳句とはそういうことだ。

田代朝子