新刊情報 – ページ 195

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寒祭

【オリジナル句集】
句集/寒祭
著者/永田満徳
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

筋肉はをのこの衣装寒祭

永田さんは句作の方法として「自然・生の実相」に迫る姿勢と、漱石の言う「俳句はレトリックの煎じ詰めたもの」とを確りと受け止め、俳句を続けて来られた。それは首藤氏の教えの継承である。幾らでも実践例は見つかるだろう。

鍵和田秞子(「序」より)
ははのこゑ

【オリジナル句集】
句集/ははのこゑ
著者/亀田やす子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

しだれ桜しづかに風を待ちゐたり

俳句は他を詠むと共に自を詠む、というより、他と自とは一体になろうとする、さらに進んで自他の別なし、という文芸ではなかろうか。

大坪景章
平成俳句の好敵手

【その他】
句集/平成俳句の好敵手
著者/坂口昌弘
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

坂口昌弘さんは、前著『ライバル俳句史』でもこの『平成俳句の好敵手』でも、二人を組み合わせ共通性、同時代性を論じつつ相違する点を浮彫にする。先例がないわけではないが、これほど多くの俳人をこの手法で分析した例はない。坂口さんは物理学と客観分析法に通暁している。その上に俳句文芸の研究の精華を加えたのが『平成俳句の好敵手』である。文章明晰、論旨判明である。何よりも一つのイデオロギーに固まった偏見がないところが佳いと思う。

有馬朗人(物理学者・俳人)
半農半漁

【平成俳人群像】
句集/半農半漁
著者/冨田兼雄
判型/A5判上製・カバー装
価格/2667円(税抜き)

生業は半農半漁豊の秋

季語の有する「本意・本情」を十分に弁えているばかりでなく、俳句本来の大切な要因「挨拶・即興・滑稽」その醍醐味の一つである、滑稽の何たるかを熟知し、闊達に、不変の真如を捉えて余りあるものがある。

島村 正(「序」より)
しつけ糸

【オリジナル句集】
句集/しつけ糸
著者/北村あゆか
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

しつけ糸指にからめて去年今年

あゆかさんはいつも和服で決めて、美しく装っている。和服の好きだった母上の影響で、子供の時から着物になじんでいたという。今は着付けの先生をされている。そんな美意識が、おのずから俳句の表現に出るのだろう。この集にも、和装の着付けを自分でする人でなければ詠めない句が見られる。

辻 桃子
踊子

【オリジナル句集】
句集/踊子
著者/篠原喜々
判型/四六判上製/カバー装
価格/2667円(税抜き)

踊子の暗き路地より来て踊る

この句集の中でどの句を掲げてもよい。みな読み応え充分だ。このような言語感覚はどこから来るのかと私はいつも思う。ただの努力だけでは到底出てこないものだ。

辻 桃子