【オリジナル句集】
句集/稲屑火
著者/八木 梓
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
稲屑火吹かるる赤さ村眠る
「稲屑火」は、その年の稲作も終り残った新藁や籾殻などを田畑で燃やし来年の堆肥にする、田終いの最後の仕事です。作者は「さくら」誌に「私の好きな秋の季語」として、時々行く信州・蓼科の農村の豊年風景を詠っています。心の中に燃える日の力を、豊穣への思いをも込めて句集の表題となさった句です。
【オリジナル句集】
句集/葡萄
著者/田島佑子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
天空のいましづかなる葡萄かな
この一句を得たことを共に悦びたい。一句一句は淡々と静かに抑えた表現だが、内面は思いのほか激しいドラマが潜んでいるのではないだろうか。ゆれる田島さんの「しづかなる」心の祈りと共に、本集の見事な円熟を讃えたい。
【その他】
句集/人生は「邯鄲夢の手枕」 目で見る句集&自分史
著者/?村元明
判型/変形判並製/カバー装
価格/2500円(税抜き)
ダンディでありしは昔ちやんちやんこ
元明さんの句はおしなべて明るい。偏屈なところがない。ロマンの香りが漂って心地よい。これも多分、自信にあふれた生き方という土台の上に生まれたからに違いない。暗いこと、悲しいことが無かったはずはないが、それをあからさまに表現することはしない。
【オリジナル句集】
句集/日立
著者/大竹多可志
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)
来し方を振り返る日や大夕焼
十八歳の時にふるさとの日立を離れ東京に来て五十七年、いつかは故郷の名の『日立』という句集を刊行したいと願っていた。いま第八句集として願いが叶ったのである。月並みではあるが、感無量の思いである。
【オリジナル句集】
句集/流れ星
著者/黒川 健
判型/四六判並製/カバー装
価格/1500円(税抜き)
今冬は四分儀群が見えたと妻へ
高田啓二郎君の画文集の「すべての出発はひとりぼっちではじまる」の一言に救われて、独習・独学・独創・独歩で五七五にむかいあってきました。十七文字を単語レベルまで下ろして客観性が生まれてくるように一言一言を推敲してまいりました。単語は本当に難解です。
【その他】
句集/子規の小函 ——句から繙く内面と人生
著者/黒川悦子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)
鑑賞と評論
本書における子規句の鑑賞は単なる思い付きではない。句の成立した時代背景と成立の道筋とが丹念に実証され、その交渉の結果としての鑑賞であることが明白である。