新刊情報 - 文學の森 - Page 12

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幡多の風

【オリジナル句集】
句集/幡多の風
著者/大林文鳥
判型/四六判上製/カバー装
価格/2500円(税抜き)

鰹船発つ日本一の旗掲げ

「幡多」は土佐西部の都。古代では「波多」とも書く。四万十があり黒潮が寄せる。中村は昔、一条氏が応仁の乱を避けて下向し治めた地。その遺る文化と土着の営みを郷土愛深く詠む。句風は原石鼎の高風を慕って学んだだけあって格調高い。第一章の「鰹船発つ」は土佐早春の地貌季語の一つ。緊褌の第一句集である。

松林朝蒼
白き海芋

【オリジナル句集】
句集/白き海芋
著者/藤村昭子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

一花咲く白き海芋が狭庭統ぶ

『白き海芋』から観念的、情にながれる俳句は見られない。写生、即物具象に徹した俳句の王道をゆく作品ばかりである。作者は生きていた証の一書と謙遜するが、正しい俳句の道を歩むべく努めている俳人には是非読んで欲しい。

渡辺徳堂
姫椿

【オリジナル句集】
句集/姫椿
著者/荒川和子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

百寿われ花にいのちをいただきぬ

「百寿われ」の惜辞は、花とともに生き、花にいのちを頂いたという思いが溢れていて、誠にめでたい。人生の喜びも悲しみも一切をふくめて、句はめでたきもの。芭蕉は「予が風雅は夏炉冬扇のごとし」と言った。人生の生死を超えていのちの深まるところ、さらに初心の花をひらいてほしい。

森潮
からたち

【200句精選】
句集/からたち
著者/宮地瑛子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2000円(税抜き)

深海魚のごと立ち尽す花の下

宮地さんは、いつも誰かのために働き続けている。普段は、どこにいるのか分からないほど静かな人なのだが、何か事があれば先頭に立ってそれに当たる。そして、いつも誰かの花を咲かせ続けているのである。

伊藤政美
花の雲

【オリジナル句集】
句集/花の雲
著者/神野幸代
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

放さんぞと云ひて夫逝く花の雲

戦後日本経済の復興に大きく寄与されたご主人を、陰となり日向となって支えられました。題名は悲傷絶唱の一句から選ばれたもので、亡夫への追憶は心から消え去ることなく、折にふれて顕れてきます。

馬場駿吉
行人岳

【オリジナル句集】
句集/行人岳
著者/中村池塘子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2600円(税抜き)

野良人に声落としゆく鶴の棹

俳句人の務めは、郷土を詠むことに始まる。三男五女の長男として鹿児島県長島町に生を享けた作者は、今も実家や墓地をよく守り、郷里への愛着は人一倍強いものがある。

淵脇護「序」より