新刊情報 – ページ 10

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俳句と遊ぼう

【その他】
句集/俳句と遊ぼう
著者/中村千久
判型/変形判並製/カバー装
価格/1500円(税抜き)

俳句でクイズ

俳句は頓智、あるいは謎解きを根っこにしています。芭蕉の「古池や」は、古池だなあ、の意味ですが、同時に、古池とはどういうもの?という問いでもあります。その答えが「蛙飛びこむ水の音」です。この本、俳句の根っこのその頓智力を鍛える本です。鍛えながら、好きな俳句を見つける楽しみもあります。私もこの本の俳句クイズに挑みます。

坪内稔典
沙羅の花

【オリジナル句集】
句集/沙羅の花
著者/堀向博子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

沙羅の花雨にこぼれてなほ真白

堀向博子さんは、俳句に出会って十七年。私の周辺で最近、こんなに俳句を楽しんでおられる方も珍しい。「雉」俳句は、写生と即物具象を基本にしているが、博子俳句にも写生に徹した秀句が多い。

田島和夫
小鳥のように

【オリジナル句集】
句集/小鳥のように
著者/安藤和子
判型/四六判並製/カバー装
価格/2200円(税抜き)

小鳥のように水切飛ばす兄でした

滾るような思いを、心のなかでしずかに噛み砕き、鎮静させ、言葉に置き換えてくる。端的に言うと、感覚の昂揚を強靭な意思で制御・抑制し、冷静に言葉を紡いでくる、という書き方だ。

愛媛県現代俳句協会会長 松本勇二
潮風

【オリジナル句集】
句集/潮風
著者/月城花風
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

酒の香の失せし花街夏暖簾

夏暖簾のみが、普段は賑わっているお客達を誘うかのように揺れているのであろう。どこかに酒を愛する彼女の孤独感があった佳句。

「玉藻」主宰 星野高士
覆ふ和紙

【オリジナル句集】
句集/覆ふ和紙
著者/月城花風
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

顔覆ふ和紙に染みたる雛の呼気

自由に俳句を楽しんでいる作者の心を雛に託して詠んだ句として受け止める。作者の息は薄い和紙を通して、とにかく生きている吐息だ。

「圓」主宰 祢宜田潤市
明易

【オリジナル句集】
句集/明易
著者/安原 葉
判型/四六判上製/カバー装
価格/2800円(税抜き)

子規語り虚子を語りて明易し

「明易」は、一九五四年七月、千葉県鹿野山神野寺の夏稽古会で、初めて虚子先生に出会った折に詠まれた多くの句の一句、<明易や花鳥諷詠南無阿弥陀 虚子>の季題であり、以後、この句が自身の人生の進むべき方向を示す一語にもなっているからである。

(「あとがき」より)