新刊情報 – ページ 7

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春光

【オリジナル句集】
句集/春光
著者/木村享史
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

死神に克ち春光に蘇る

目の前にひろがっている土壁色の世界が、少しずつ明るい色に変わって来て、私はうっすらと瞳を開いていた。覗き込んでいる顔が大きく見えた。「気がつきましたか、九十歳を過ぎての蜘蛛膜下出血でこんな元気な人見たことないですよ」三十代か、まだ若い担当医の顔があった。うしろに娘達の笑顔が重なってあった。

よすが/えにし

【オリジナル句集】
句集/よすが/えにし
著者/美濃吉昭/美濃けい子
判型/函入り上製本2冊組
価格/5000円(税抜き)

幼子のまるきてのひら梅ひらく              だれよりも先に見つけし迎春花

『よすが』構えの無い穏やかな日常、一字一句が親しい。根底にある人間味とでも言おうか、大人でありながら瑞々しい。本著は吉昭氏のまだまだ途上の”よすが”として、誇らしく歩み続けられることを願うものである。                              『えにし』何事にも出会いというものがあるが、真っ先に見つけたという幼子のような喜びが一句に素直である。益々の豊かな歩みと、出会いを詠み続けられる作者が楽しみである。

すずき巴里「帯文」より
圭復

【オリジナル句集】
句集/圭復
著者/矢野景一
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

ひとり読む賀状夫婦で詠む賀状

「圭復」は人から来た手紙を何度も繰り返し読むこと。時代の流れに合わない言葉になりつつあるが、人との交感を大切にしたいという願いを込めた。

「あとがき」より
天つ風

【オリジナル句集】
句集/天つ風
著者/横山昭子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

いやまさる母の肌つや菊日和

秋晴れに輝くご母堂の素肌。静かな写生に母への情、母の人生への尊敬、自身の来し方への感慨、諸々の情が滲む。

大橋一弘「序」より
雲の遊行

【オリジナル句集】
句集/雲の遊行
著者/長町明子
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

峰寺へ雲の遊行や春立ちぬ

心と表現力に優れた句が多くなり、資質の自由自在さと病気の寛解による気持ちのさわやかさを思います。俳句はその人の生き方にかかわるものとも言われますが、思いがけない人生の不遇の後、それを超えた作者の息吹が見られ、更に克服した力が感じられます。

古賀雪江「序」より
虎落笛

【イカロス選書】
句集/虎落笛
著者/丸山美沙夫
判型/四六判上製/カバー装
価格/2700円(税抜き)

腕組めば風の弾きだす虎落笛

厳しい冬の烈風が北信州の千曲川の両岸に吹き荒れ、ひゅうひゅうと柵や電線を鳴らす。その厳しさの中に身を埋めていると、心も体も引き締まる。それはまた立ち向かう響きとなり、また背中を押される励ましの声のようでもある。

「あとがき」より